今回はヒンジ型以外の構造を持つリレー(リードリレー/水銀リレー、MBB型接点構造のリレー、ラッチングリレー)について説明します。
前回は小信号用リレーの中でも汎用的なヒンジ型の構造を持つリレーについて概要を説明しました。
今回はヒンジ型以外の構造を持つリレーについて説明したいと思います。
おおまかに言えば、リードリレーはリード接点と呼ばれる構造のスイッチ(SW)を、水銀リレーは水銀SWを外部磁界で駆動するものです。
リードSWは図1(a)に示すようにパーマロイ(鉄ーニッケル合金)などの強磁性体でできた支持体に接点を設け、この構造体を不活性ガス(窒素ガス)が充填(じゅうてん)されたガラスチューブ内に封入したものです。そしてリードリレーは図1(b)に示すようにこのリードSWの外周にコイルを設けた構成になっています。
コイルが通電されて磁束が支持体(強磁性体)を通過すると磁気的吸引力によって支持体同士で引き合い接点が閉じます。もちろん磁束がなくなれば支持体の剛性によって初期状態に復帰します。
【利点】
【欠点】
一方水銀リレーは図1(c)に示すように、リードリレーのSW部を水銀SWに替えたものです。水銀SWはガラス管の中に少量の水銀を挿入してあり、片側(下側)の接点は水銀の表面張力で濡れています。
接点のON/OFF時には水銀の粘性によってバウンスは生じませんが、水銀が重力によって移動するのでリレーの設置方向が制限されます(上下方向が指定されています)。
またリードリレーと同じ構造ですので利点欠点も同様に内在します。
これらのリレーは主としてDC100V以下、開閉電流0.5A以下の信号用リレーとして用いられます。
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