リレーはその動作の必然性からON/OFFによって磁気回路が開磁路と閉磁路に切り替わり、この磁気回路の切り替わりに従ってリレーから漏れてくる漏洩磁束が大きく変化します。
電子回路とリレーが接近していたり、対向していたりする場合などではこの漏洩磁束がプリント基板のパターンに鎖交し、この鎖交磁束が変化することで電子回路に意図しないノイズ電圧が誘起されて回路を誤動作させることがあります。
このような不具合を未然に防ぐためにはリレーを故意に他の回路部品に近づけた上でON/OFFさせて回路の安定性を確認してください。もし、誤動作するようであれば回路のインピーダンスを下げる、容量を追加する、磁気シールドを施す、などの対策を施してください。
ACラインのON/OFFのため、ACラインに電源スイッチ(SW)を設けますが、このSWには必ず両切り型を使ってください。配線の簡素化のために安易に片切りSWを使用するとSW-OFFで漏れ電流が倍増する現象が発生します。
関係する部分の回路図を図3(a)に、その等価回路を図3(b)、(c)に示します。SWが閉じている場合はC1および、V1は低インピーダンスのRdetによって接地されていますのでV1からの電流はC3成分のみが接地へ流れます。この電流が通常の漏れ電流です。
一方、SWが開放されている図3(c)の場合は、C1、C2を通じてC4へも電流が流れ、図4に示すように漏れ電流I(Rdet)が倍増します。また各部の波形を詳しく見るとC1の電流はSWがOFFになっているにもかかわらず数十マイクロアンペアレベルの電流が流れており、C4による漏れ電流の存在を確認できます。
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