民生機器の高速インタフェース(I/F)としても使われ始めたデジタル方式の信号補償技術であるFFE(Feed forward Equalizer)とDFE(Decision feedback Equalizer)について説明します。FFE/DFEの概要や動作の仕組みを紹介します。
第11回では伝送路の高周波の減衰特性とその理由、アナログのシグナルコンディショナー技術によるISIジッタの補償方法について説明しました。
今回(第12回)は民生機器の高速インタフェース(I/F)としても使われ始めたデジタル方式の信号補償技術であるFFE(Feed forward Equalizer)とDFE(Decision feedback Equalizer)の概要や動作の仕組み、ISIジッタの補償動作について紹介していきます。
高速の信号がケーブルやPCB上の伝送路に伝わると図1左のような伝送路のローパスフィルター特性により高周波が減衰します。受信端では図1右のようにISIジッタによりEYEの開口が小さくなります。
この伝送路のローパスフィルター特性により発生するISIジッタを低減する方法として、第11回では送信端のエンファシスドライバと受信端のアナログのイコライザー(CTLE)を説明しました。
他の補償方法としてはデジタル方式のFFE(Feed Forward Equalizer)やDFE(Decision Feedback Equalizer)によるイコライザー(図2)があり、10Gビット/秒(以下、bps)クラス以上の各種高速伝送規格や汎用の製品で、信号品質(Signal Integrity)の向上のために使用されています。
このデジタル方式のイコライザーは銅線の高速伝送だけでなく、以前から低速の銅線やオプティカルのインタフェースでも使用されている技術になります。
これらデジタル方式のイコライザーは単純なアナログのCTLE(イコライザー)と異なり、シリアルストリームのビットレートに同期したリファレンスクロック情報が必要です。そのため、主にシリアルストリームからリファレンスクロックを抽出可能なSerDesやリタイマー(CDR)の半導体製品に実装されます。
それではFFE(Feed Forward Equalizer)から説明していきます。
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