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» 2020年02月25日 11時00分 公開

アルミ電解コンデンサー(7)―― 複数負荷モードでの寿命計算中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(40)(2/3 ページ)

[加藤博二(Sifoen),EDN Japan]

リップル電流の測定

 リップル電流の大小は電解液のESRに左右されますがこのESRは周波数特性を持ちますのでリップル電流の許容値も表2のように周波数特性を持ちます。

表2 表2:リップル電流の周波数補正係数の例

 表2から分かるように(a)の一般品は120Hzを基準にして補正係数が定められているのに対して(b)の高周波品は100kHz基準の補正係数を規定しています。
 このような値はシリーズ毎に個々に定められており、特に50Hzの許容値は120Hz値よりも減少している場合がありますので低周波域での使用には使用周波数に注意が必要です。

【実際の電流値判定】
 コンデンサーに流れるリップル電流は使用箇所にもよりますが一般的に波形は歪んでいます。一方、カタログなどの保証値は正弦波ですからそのままでは適用できません。
 実際には歪波は複数の高次周波数成分の集合ですからこの電流波形をスペクトル分析して各周波数成分(f1, f2, f3…)に分解し、この各成分に対して表2の補正係数と5式を使って基準周波数のIRに換算します。

5式

 特に周波数補正係数γiについては定められた周波数値しか公表されていませんのでグラフなどから中間値を読み取って使用することになります。しかし、このような換算を行うこと自体が計算精度を低下させますし、カタログの寿命の規定も参考値ですから寿命計算についてはやはり参考値として取り扱うべきでしょう。

 リップル電流の測定にはカレント(電流)プローブなど無損失の計測器を用いて行いますので電流測定のために電解コンデンサーのリードを延ばして引き出します。この時の引き出しリード線の長さや太さ、および全リード線を同時に引き出すのか否か、などを理論値と比較して影響を検討してください。乖離(かいり)が大きい場合は測定法の見直しが必要です。

 なお、カレントプローブには電子式(アクティブ方式)とトランス式(パッシブ方式)の2つの種類がありますが必ず電子式のものを使用してください。トランス式の場合はトランスのL成分がコンデンサーのリードと直列に挿入されることになるので測定が正しく行われない時があります。

注)一般品に大きな高周波リップル電流を流すとESRの大きさからリップル電圧が低下しませんので容量値とともにESRも考慮して品種を選択してください。

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