電力計の基礎知識を解説する連載3回目。最終回の今回は、「電力計の測定事例」「電力計の校正」について説明する。
本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。
電力計は、モーターを駆動するインバーターや太陽光発電システムで使われるパワーコンディショナーの効率測定、電力計を使った規格試験などで使われることが多い。その他にも、リアクトルのインピーダンス測定や磁性材料の鉄損測定にも使うことができる。
スイッチング電源の試験方法は、電子情報技術産業協会(JEITA)規格の「スイッチング電源試験方法(AC-DC) JEITA RC-9131B)」に記載されている。この試験規格の中で力率、効率、高調波電流の測定に電力計が必要となる。
なお、米国や欧州に輸出する製品に使われるACアダプターは地域ごとに定められたエネルギー効率基準を満たす必要があるため、日本国内とは異なる基準で試験を行う必要がある。
電力計の用途で多いのがモーター/インバーター測定である。下図に車載モーター、インバーターの測定事例を示す。電池に蓄えられた電気エネルギーがモーターによって力学的なエネルギーに変換される流れを電力計で同時に測定する。
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