電解コンデンサーから強アルカリの電解液が漏れた片面基板の修理の続きを報告する。基板の動作確認ができるように本体部も一緒に送ってもらった。修理依頼された機器は専用機器のローターを駆動する制御器だった。
電解コンデンサーから強アルカリの電解液が漏れた片面基板の修理の続きを報告する(【前編】はこちらから)。基板の動作確認ができるように本体部も一緒に送ってもらった。修理依頼された機器は専用機器のローターを駆動する制御器だった。本体の写真を図1に示す。
図1の中央には大きなトランスがあった。ベース部の金属板にはダイオードブリッジとトランジスタが固定され放熱されていた。スイッチング電源は使用せずトランスで制御電源と駆動電源の2つの電圧を生成し、ダイオードブリッジとコンデンサーで整流して、レギュレーターで15Vの電圧を生成していた。この電源構成は1980年ごろの電気製品の標準構成だ。
ノイズが少ないのでアナログ機器には最適な電気設計だった。しかしケースは密閉されていて内部の放熱は考慮されていなかった。
図1左上に赤四角で囲ったレギュレーターと小型の電解コンデンサーがある。この2つが劣化していた。基板の写真を図2に示す。
図2で写真には見えないが左下に4端子のコネクターがあり、ここにAC17VとDC43Vの電源が供給されていた。AC17Vを整流してレギュレーターでDC15Vを生成していた。これが制御電源だろう。ベースのダイオードブリッジで整流されたDC43Vが大型のコンデンサーに接続されていた。これがモーターの駆動電源と思われた。中央上に多ピンのハイブリッドICがあった。この機器専用のICだろう。基板のハンダ面全体の写真を図3に示す。
図3左側の赤枠で囲ったハンダ面がかなり腐食し、GNDパターンのレジストが溶けてなくなっていた。腐食した部分の拡大写真を図4に示す。
図4で赤四角部分のパターンは剥離していた。まずは液漏れした電解コンデンサーと破損したレギュレーターを交換した。レジストは溶けてなくなっているが太めのパターンは切れていなかった。
ハンダ面のサビを除去し、部品交換したハンダ面の写真を次ページ図5に示す。
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