マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。57回目は、初級者の方からよく質問される「マイコンに搭載されているLCDドライバ/コントローラーの仕組み」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初級者から多く寄せられる質問です。
マイコンに搭載されている液晶ディスプレイ(以下LCD:Liquid Crystal Display)ドライバ/コントローラーの仕組みや、使用上の注意点を教えてください。
LCDは、2枚の透明電極付きガラス板で液晶を挟む構造になっており、この2つの電極に電位差が生じると挟まれた液晶の光学的性質が変わります。その変化を2枚の偏光板を利用して取り出し、画像を表示させる仕組みです。
図1の16セグメントタイプのLCDの場合、図1(a)の「A」セグメントを点灯させたい時は、SEG2とCOM0に電位差を与えます。また、「B」ならばSEG2とCOM1、「F」ならばSEG0とCOM1となります。「A」「B」「C」「F」「E」「G」「K」のセグメントを点灯させれば16セグメント全体で「A」という文字になります。SEGとCOMの組み合わせは図1(b)に記述されています。表示したい文字のパターンを図1(c)のLCD RAMに入れておけば、マイコンが自動的に図1(d)で示すようなSEG信号とCOM信号を出力してくれます。
内部構成については、図2にSTマイクロエレクトロニクスの32bitマイコンSTM32L4シリーズ*1)に搭載されているLCDコントローラーのブロック図(STM32L4シリーズのリファレンスマニュアルから引用)を示します。
大きな表示のLCDの場合、マイコンに搭載されているLCDではドライブできずにちらついたり、コントラストが悪くなったり、各セグメントにむらが発生したりすることがあります。そのため、マイコンのLCDの特性とLCDのスペックのマッチングを良く検討する必要があります。
参考ページ:*1)STM32L4シリーズ
※本記事はマイコンの機能に関する記事なので、LCDの構造や動作原理などの詳細については、専門書やインターネット記事、ブログなどを参考にしてください。
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