低EMI電源向けの同期降圧DC-DCコントローラー:日本TI LM25149-Q1、LM25149
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、42V同期降圧DC-DCコントローラー「LM25149-Q1」「LM25149」を発表した。アクティブEMIフィルターとデュアルランダムスペクトラム拡散技術を搭載し、車載や産業用途に適する。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2021年4月、低EMI(電磁干渉)の小型電源設計を可能にする42V同期降圧DC-DCコントローラーとして、車載向け「LM25149-Q1」と産業向け「LM25149」を発表した。
両製品は、アクティブEMIフィルター(AEF)とデュアルランダムスペクトラム拡散(DRSS)技術を搭載することで、多くの周波数帯で電源設計の伝導EMIを最大55dBμV削減できる。内蔵AEFは、150kHz〜10MHzの低周波数帯の伝導EMIを検出して低減し、DRSSは、低周波から高周波数帯までのEMI削減に貢献する。そのため、車載EMI規格のCISPR(国際無線障害特別委員会)25クラス5への適合も容易だ。
42V同期降圧DC-DCコントローラー「LM25149-Q1」「LM25149」利用イメージ
内蔵AEFはパッシブ部品にかかるフィルタリングの負担を軽減するため、外付けEMIフィルターの面積を約50%、体積で75%以上削減できる。これにより、電源ソリューションの低EMI化と小型化の両立が可能になる。
入力電圧範囲は3.5〜42Vで、ブートストラップダイオード、ループ補償、出力電圧帰還部品を備え、2相インターリーブ動作にも対応する。
両製品とも、3.5×5.5mmの熱特性強化型24ピンVQFNパッケージで提供する。量産前製造分は同社Webサイトから入手可能で、1000個受注時の参考単価は、LM25149-Q1が1.42ドル、LM25149が1.2ドル。評価モジュール「LM25149-Q1EVM-2100」も75ドルで購入可能だ。量産品は、2021年第4四半期からの提供開始を予定している。
- DC-DCコンバータのEMIノイズ
DC-DCコンバータは、その方式によってノイズ特性が異なる。特に低ノイズであることが求められる用途では、製品を適切に選択するために、方式ごとのノイズの発生原理と特性の差異を理解しておかなければならない。
- スペクトラム拡散で電源回路のEMIを低減
スイッチング電源は雑音の発生源として悪名が高い。いわゆるスイッチング雑音を発生するからだ。この雑音は配線パターンなどを介して放射電磁雑音(EMI)となり、電源回路の外部の周辺回路などに飛び込む。対策としては、EMIフィルターを使う方法が考えられるが、実装に要する基板面積が大きくなり、部品コストも増えてしまうため難しい。そこで、今回は、スイッチング電源のスイッチング周波数を変調することで、EMIを低減する方法を紹介する。
- 降圧回路のEMIをカンタンに低減する3つのTips
電磁干渉(EMI)が抑えられず、再設計……。もしかすると、こうした悪夢は回避できるかもしれません。降圧回路で簡単にEMIを低減できる3つのTips(ヒント)を紹介しましょう。
- DC-DCコンバーターの性能に影響を与える寄生特性
今回の記事では、DC-DCコンバーターの性能に影響を与える部品の寄生特性や、疑似共振(QR)コンバーター、共振モード(RM)コンバーターについて解説します。
- 強化絶縁5kVrmsの小型DC-DCコンバーター
日本テキサス・インスツルメンツは、小型で高効率の絶縁型DC-DCコンバーター「UCC12050」を発表した。大きさは10.3×10.3×2.65mm、16ピンSOICパッケージで提供し、既に量産を開始している。
- 変換効率96%の絶縁型DC-DCコンバーター
バイコーは、絶縁型DC-DCコンバーター「DCM5614」の販売を開始した。最大出力は1300Wで、270Vから28Vへ電圧変換し変換効率96%を記録する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.