前回は、電気二重層(EDLC)キャパシターの概要について説明をしました。大容量を生み出す源が電気二重層というエネルギーギャップにあることを理解いただけたでしょうか? 今回はそのようなEDLCがどのように作られているか、主な材料を紹介しながら説明していきます。
前回は電気二重層(EDLC*)キャパシターの概要について説明をしました。大容量を生み出す源が電気二重層というエネルギーギャップにあることを理解いただけたでしょうか? 今回はそのようなEDLCがどのように作られているかを中心に説明していきます。
*EDLC:Electrical Double Layer Capacitor 電気二重層キャパシター
前回説明しました内部構造図を図1に再掲します。
図1の構造図には強度を保つ導電性の金属などの薄板状の集電用電極、活性炭などから成るキャパシタ機能を分担する分極性電極、導電性の電解液、正負極分離用のセパレーターが図示されています。
実際に電気二重層を生成する部分の電極を分極性電極と呼びますがこの分極性電極は活性炭などで構成されているために機械的強度が弱く、電流引き出し用のリード取り付け時などのストレスで形状を維持することができません。このため、実際のEDLCでは機械的強度に優れた集電用の集電極を設けてこの集電極表面に分極性電極を設けています。
この集電極に要求される特性として次の特性が挙げられます。
EDLCの全体構成や用いられる電解液の種類によって集電極の形状や材料は金属系と導電性樹脂系のものが使い分けられます。
この電極は実際に電気二重層を生成しますので次のような特性が要求されます。
などです。これらの要求を満たす材料として炭素系材料、特に次に示す材料から作られる活性炭が主に用いられています。
これらの材料から生産された活性炭をカーボンブラックなどの補助材料、粘性を与えるバインダーなどと混練し、乾燥、あるいは焼結して電極を構成します。なお、多くの活性炭の比表面積は1000〜3000m2/g程度ですが実際のEDLCでは安定性や入手性などの面から1500〜2500m2/g程度の特性の材料を10μm以下の粒経に粉砕して使われます。
またこれらの活性炭は電解液によっても使い分けられ、一例として、
活性炭には上記の要求特性の他、次の項目によっても使い分けられます。
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