日本電気硝子は、UV-C LED用のスクエア型リッドとドーム型リッドを開発し、サンプル出荷を開始した。スクエア型リッドは光取り出し効率が96%と高効率で、ドーム型リッドは配光角が120度と広い。
日本電気硝子は2021年4月、UV-C LED用のスクエア型リッド(箱形のふた)とドーム型リッド(おわん形のふた)を開発し、サンプル出荷を開始した。従来品のフラット型リッドの光取り出し効率90%未満、配光角100度に比べ、光取り出し効率が向上し、より広い配光角とした。
新製品のうち、スクエア型リッドは、基板と封止用の金錫(AuSn)はんだを一体化し、必要なUV-C ARコート(反射防止膜)を両面に施している。これにより、光取り出し効率96%、配光角110度と、従来の石英ガラスキャップリッドを上回る光効率を達成した。高出力のUV-C LEDに適する。
ドーム型リッドは、UV-C高透過ガラスを半球状に加工し、フランジ部分に封止用の金錫はんだを一体化。光取り出し効率は93%、配光角は120度で、スクエア型よりも配光角が広くなっている。2.4〜60mmのドーム直径に対応し、今後、UV-C ARコート対応品の開発も進める。
両製品とも、金錫はんだとリッドの間に下地膜を形成しており、封止後の破損を防止する。また、さまざまな金属はんだの形成にも対応する。
UV-C LEDは殺菌やウイルス不活化といった用途で注目されているものの、出力が水銀ランプの数百分の1程度にとどまる。そのため、UV-C LEDで用いるリッドにも光取り出し効率の向上が必要とされ、板ガラスを貼付した構造からキャップ形状への移行が進んでいる。
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