今回は、プラズマカッターの修理を報告する。高電圧で危険な機器だが、高電圧機器の試作品を設計、製造したことがあるので、引き受けた。
友人から珍しい電気機器の修理依頼があった。
山で使っていたプラズマ切断機の火花が出なくなりました。安い中国製のもので、AC200V用です。
というわけで今回は、プラズマカッターの修理を報告する。高電圧で危険な機器だが、高電圧機器の試作品を設計、製造したことがあるので、引き受けた。預かったプラズマカッターを図1に示す。
図1左は正面の操作と出力端子部で、右は背面でファンとエアーレギュレーターがあった。
エアーを出しながらプラズマ放電して金属をカットする装置だった。機器仕様を把握するため製品の型名「CUT-40」で取扱説明書を検索すると、すぐに見つかった。【取扱説明書へのリンク(クリックするとPDFデータのダウンロードが始まります)】
仕様を確認するとAC200V電源で最大出力は6kVAだった。電力を下げて確認しないとちょっと怖い機器だった。自宅にあるAC200Vの変換トランスは、入力に2Aのブレーカーがあるので電流は保護されており大丈夫だ。電源のコンセントはAC200V 3相だったが単相で使用していたので、接続するコンセントの端子を確認した。なぜなら、3相電源に単相を印加するときは制御電源側に接続しないと機器が動作しないためだ。確認はテスターでコンセントの各端子の抵抗を測定するとよい。制御電源側は少し抵抗値が低くなる。図2に示す。
図2の長い端子はアースで、赤色のチェックマークを付けた端子にAC200Vを接続すれば良かった。電源を投入する前に機器の概要を把握しながら不良箇所を探した。図3、図4に示す。
図3が側面の写真で図4が上面の写真だ。基板は3段構成だが、最下段が整流と制御電源の生成部、高圧の出力部だった。中段と上段で高圧電源を生成しているようだ。中段はブラックボックス化されていて、高圧電源の生成方法は把握できなかった。
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