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単線の圧着が引き起こす不具合【前編】Wired, Weird(1/2 ページ)

減圧ポンプに使用されるモータードライバーの不具合調査を依頼された。不具合内容は「電源を入れると欠相のアラームが発生する」ということだった。今回はモータードライバーの不具合調査を報告する。

» 2022年07月14日 11時00分 公開
[山平豊(Rimos)EDN Japan]

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 減圧ポンプに使用されるモータードライバーの不具合調査を依頼された。不具合内容は「電源を入れると欠相のアラームが発生する」ということだった。今回はモータードライバーの不具合調査を報告する。モータードライバーの制御部の写真を図1に示す。

図1:減圧ポンプに使用されるモータードライバーの制御部[クリックで拡大]

 図1はモータードライバーの制御部の全体になる。ざっと見て電源が3台、基板が2枚ほどみえる。この中から不具合部品を見つけるのはかなり難しい。不具合情報の「欠相のアラーム」から不良基板を推定するしかない。

三相電源が接続された基板はどれか?

 不具合内容の「欠相」の意味は、三相電源の3つの相電源「R」「S」「T」のうち、いずれかの相電源が供給されていないという意味なので、三相電源が接続された基板を探せばよい。3台の電源には単相しか供給されていないので、これらは除外できる。また右上のボリュームが並んだ基板には三相電源の接続はなさそうでこれも除外できる。不具合が疑われる場所は、図1左上のコイルやダイオードと大きな電解コンデンサーが実装された基板1枚に絞られた。まずは電源を外して、この基板を確認した。図2に示す。

図2:不具合が疑われる基板部分[クリックで拡大]

 図2の上側が不具合の原因が隠れていると思われる基板だ。図2では少し見えにくいが、基板の右側に4極の端子台がある。三相電源とアースの配線するための端子台と思われる。端子の捺印を確認するとR、S、T、Eのシルク印刷が見えた。R、S、Tは三相電源の記号だ。端子部の拡大写真を次ページに図3として示す。

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