前回に引き続き、基板検査装置に使用されている「X線コントロールユニット」の修理の様子を紹介する。
今回は著名なメーカーのX線のコントロールユニット修理の続きだ。
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前回紹介したように調査の結果、動作不良の原因はランプの電圧低下か、インターロック(INTER LOCK)の接続部分に隠れているようだった。インターロックの接続部の回路を詳細に確認した。図1、図2に示す。
図2中、赤四角で囲った2Pのコネクターと右の4Pのコネクターがインターロックの接続部に相当した。2Pのコネクターでは電源を接続して、4PのコネクターはSSRで1-2ピンに接続され、3-4ピンはフォトカプラのLED側に接続されていた。インターロック回路の接続メモを図3に示す。
図3中央にある4PのコネクターがINTER LOCK 2の接続で次のように動作すると考えられた。INTER LOCK 1がオンすると図3下側のPC7がオンし、生成された電圧がランプに供給される。PC7の出力を強制的にオンしたら電解コンデンサーには29Vの電圧が確認された。予想した33Vではなかった。
ランプが点灯すると、ランプユニット内にあるINTER LOCK 2のスイッチがオンしてPC6のLEDに電流が流れる。そして、フォトカプラがオンして、検査装置がスタンバイになると思われた。X線のコントロールユニットの動作状況が分かるように赤破線のモニターLEDを基板に2つ追加した。図4に示す。
図4の左下のフォトカプラにモニターLEDをつけた。これでランプ電源の生成動作を確認できる。中央上のフォトカプラにモニターLEDをつけ、ランプ点灯の信号の確認ができた。なおフォトカプラの劣化も考えられるのでPC6とPC7を外して動作を確認した。結果は正常でCTRは100%を超えていた。単品で確認した電気的特性ではフォトカプラは劣化していなかった。
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