ソシオネクストは、5G基地局の無線機用SoC向けとして、Direct RFデータコンバーターのPHY部のIPを新たに開発した。7nmプロセスを採用したもので、既にテストチップおよび評価ボードの提供を開始している。
ソシオネクストは2023年2月、5G基地局の無線機用SoC(System on Chip)向けとして、Direct RFデータコンバーターのPHY部のIPを開発したと発表した。サブ6GHz帯(FR1帯)やミリ波帯(FR2帯)を利用する3GPP、5GNR、LTEおよびWi-Fi向けの先端トランシーバーなどに用いる。
同IPは、TSMCの7nmプロセス(N7)を採用。32個または64個のTRX(送受信部)の単一ダイソリューションに集積できるため、ディスクリート品を用いてシステムを構成する場合と比較して消費電力を削減できる。
サブ6GHz帯域では、最大1.6GHzのチャンネル帯域幅の割り当てが可能。サブ6GHz帯で最大100MHz幅の16チャンネル、ミリ波帯で最大400MHz幅の4チャンネルとなる。
また、マクロとして用意した複数のDUC(デジタルアップコンバーター)やDDC(デジタルダウンコンバーター)を用いることで、外部フィルタリングコンポーネントを用いずに低帯域、中帯域、高帯域を同時に取り扱える。
ADC(ADコンバーター)およびDAC(DAコンバーター)は、分解能が12ビット、アナログ帯域幅が最大7.2GHzとなった。サンプリングレートはADCが24Gサンプル/秒、DACが32Gサンプル/秒だ。初段のデータコンバーターの周波数範囲として、5GNRのサブ6GHz帯を使用できる。
既に、顧客向けにDirect RFテストチップおよび評価ボードの提供を開始。ADC、DACおよびリアルタイムストリーミングを搭載した専用アプリケーションボードは、2023年10〜12月の提供開始を予定している。
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