NXPセミコンダクターズは、ADASや自動運転システム向けのワンチップレーダーSoC「SAF85xx」ファミリーを発表した。前世代品と比較してRF性能が2倍となったほか、レーダーシグナルプロセッシングが最大40%高速化している。
NXPセミコンダクターズは2023年1月、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システム向けのワンチップレーダーSoC(System on Chip)「SAF85xx」ファミリーを発表した。既にサンプル出荷を開始している。
SAF85xxファミリーは、同社のRFCMOSレーダープラットフォームでは第3世代となる。28nmプロセスを採用していて、前世代品と比較してRF性能が2倍となったほか、レーダーシグナルプロセッシングが最大40%高速化した。
同ファミリーは、4つのトランスミッターと4つのレシーバー、ハードウェアアクセラレーターを内蔵したマルチコアレーダープロセッサ、ギガビットイーサネット通信インタフェース、合計5.5Mバイトのメモリを搭載している。
機能安全規格「ISO 26262」と車載サイバーセキュリティ規格「ISO/SAE 21434」に準拠し、ASIL Bの要件を満たしている。また、コーナーレーダーとフロントレーダーの4Dセンシングが可能なため、追従走行などを支援するACC(アダプティブクルーズコントロール)、車線変更時の後方確認をサポートするBSM(ブラインドスポットモニタリング)、自動緊急ブレーキ、自動駐車といった運転支援システムに適している。
なお、同社は、SAF85xxファミリーの先進レーダーセンシング技術を次世代ADASの開発に活用するため、デンソーが同ファミリーを採用したことも発表した。
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