EtherCATに対応した産業用MPU：ルネサス RZ/T2L

ルネサス エレクトロニクスは、EtherCATに対応した産業用MPU「RZ/T2L」の販売および量産を開始した。同社従来品「RZ/T2M」と比較すると、最大50％小型化している。

[EDN Japan]

　ルネサス エレクトロニクスは2023年3月、EtherCATに対応した産業用MPU「RZ/T2L」の販売および量産を開始したと発表した。FA分野だけでなく、医療機器やビルディングオートメーション（BA）などのリアルタイム制御に適している。

EtherCATに対応した産業用MPU「RZ/T2L」 出所：ルネサス エレクトロニクス

　RZ/T2Lは、同社従来品「RZ/T2M」のハードウェアアーキテクチャを踏襲しつつ、EtherCAT通信に重点を置いた。RZ/T2Mと比較すると、最大で50％小型化している。

　CPUはArm Cortex-R52を採用し、最大動作周波数は800MHz。イーサネット通信用には、BeckhoffのEtherCATスレーブコントローラーを採用した。

RAMはエラー訂正機能を搭載

　RAMは、全てECC（エラー訂正）機能を搭載。また、角度センサー向けのマルチプロトコルエンコーダーインタフェースやΔΣインタフェース、A-Dコンバーターといった周辺機能を備えた。

　加えて同社は、自己診断ソフトウェアや二重化システム用SIL3システムソフトウェアキットなどを2023年中に提供する予定だ。これらを用いることで、RZ/T2Lを機能安全システムに活用することが可能となる。2023年5月には、セキュリティソフトウェアパッケージの提供も開始する。

　他に、RZ/T2Lと同社の他のデバイスを組み合わせ、EtherCATとモーター制御を統合した「ACサーボソリューション」も提供する。

ルネサスの産業ネットワーク製品のラインアップ 出所：ルネサス エレクトロニクス