ウオッチドッグタイマーのエラーが起こる原因として最も可能性が高そうなのはCPU電源の変動だ。そこで、CPU基板に実装されている各デバイスの電圧を確認することにした。図2右下の開けたメンテナンスカバーの中に主要な制御部分の回路部品が見えた。拡大写真を図3に示す。
図3中央右の黒いデバイス「UPD70320L」がCPUだ。CPU周辺にはバッテリーやROMとEEROMも確認でき、。パネルを動作させる重要な機能の回路が集まっているようだ。電源電圧の5V電圧は5.09Vで、オシロスコープで確認すると、リップルが150mVほどあった。測定した結果を図4に示す。
図4で測定位置はEEROMの電源端子でリップルは150mVもあった。これがCPUの誤動作を引き起こす原因になっている可能性が高いと思われた。依頼者が修理を急いでいたので、取り急ぎ制御基板の5V電圧に大容量の電解コンデンサーとセラミックコンデンサーのペアを2セット追加してリップルを抑えることにした。図5に示す。
図5左下のCPUからは遠いが、5V電源に1000μF電解コンデンサーと10μFセラミックコンデンサーを2セット追加した。本来であればCPU近くに取り付けた方が良いが、電解コンデンサーを追加するスペースはなかった。仮対策を実施して翌日の朝に依頼者へパネルを送付した。
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