ウオッチドッグタイマーのエラーが発生するという工作機械の操作パネルを修理した様子を紹介する。
工作機械の操作パネルの修理依頼があった。工作機械のパネル修理は初めてだ。不具合内容は「工作機械の動作が遅くなり、ウオッチドッグタイマー(Watch Dog Timer)のエラーが出た」ということだった。エラーメッセージにウオッチドッグタイマーのエラーがあるのも珍しいが、このエラー発生を見るのも初めてだった。
ウオッチドッグタイマーのエラーはCPUの暴走を検出したことを記憶して表示している。このエラーが出るのはCPUがプログラムを読み違えたのが原因で、5V電源の変動やノイズなどでCPUが周辺デバイスの情報をうまく読めなかったと思われたので、修理を引き受けた。送られてきたパネルは20kgを軽くオーバーする大型の機器だった。依頼主から送られてきたエラー写真を製品名や型名を伏せて図1に示す。
図1はパネルの正面の写真だ。『008』の表示がウオッチドッグタイマーのエラーということだ。工作機械が動作中に停止し、電源を入れ直しても動作中に再びエラーが発生するということだった。自宅に届いたパネルにAC200Vを通電した写真を図2に示す。パネル右下の保守用カバーを開けた状態だ。
図2は受領した機器で、あまりにも重いので、自宅玄関で通電して確認した。操作パネルのモードスイッチを操作すると操作を受け付けた。CPUは正常に動作しているようだ。エラー履歴を確認することで原因を調べることもできるので、過去のエラーの確認方法を添付された取扱説明書で探した。だが、過去のエラーの確認方法は記載されていなかった。やむを得ずメーカーに問い合せした。翌日返事があった。しかし「この機器はアラーム履歴を確認する機能が備わっておりません。大変申し訳ありませんが、アラームの履歴を確認する方法はありません。最新の機種ですとその機能は備わっているのですが……」という回答だった。過去のエラー確認は諦めて、現物から原因を調べるしかない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.