マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコンボードが動作しないときの5つのチェックポイント」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心者から多く寄せられる質問です。
新しいプロジェクトで使用しているマイコンボードが動作しません。何を確認すればよいですか?
新しいプロジェクトでマイコンボードを使用する際に、動作しないときには、ピンの外観、電源電圧、リセット、ブートモード条件、クロック発振、の5つを初めに確認してください。
ポイント | 項目 | 確認内容 |
---|---|---|
1 | ピンの外観 | はんだブリッジやピン端子の浮きが無いこと。 |
2 | 電源電圧 | マイコンへの供給電圧が、operating conditionを満たしているか… ・マイコンへの供給電圧VDDの電圧がoperating conditionのMin値およびパワーオンリセット電圧VPORのMax値を超えていること。 必要な電源が接続されているか… ・マイコンのアナログ回路電源がVDDA-VSSAとして分離されているマイコンの場合は、マイコンへの供給電圧VDDA-VSSAがoperating conditionのMin値を超えていること。 ・IO電圧供給がVDDIOとして分離されているマイコンの場合は、VDDIOへの電源供給がされていること。 ・バックアップバッテリー用端子VBATがあるマイコンの場合は、VBATへの電源供給がされていること。 ・VSSなど複数の同じ名前の電源ピンがある場合、同名ピンが全て接続されていること。 |
3 | リセット端子電圧 | リセットピンNRSTの電圧がピン入力LOW電圧VIL(NRST)のMax値よりも下であること。 |
4 | ブートモード条件 | マイコンのブートモードを設定するブートピン電圧、オプションバイト、フラッシュメモリが空かどうか(0xffで埋められている状態)が想定したモードに対応していること。 |
5 | クロック発振 | 外部オシレーターを使用せず、内部オシレーターのみを使う設定にして、起動するかどうかを確認すること。 内部オシレーターを使用して、起動可能で、オシレーター出力端子MCOのあるマイコンの場合は、外部オシレーターのクロック信号をオシレーター出力端子MCOよりクロックを出力させる設定にして、クロックが発振していることを確認すること。 |
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