マイコンのピンの外観、電源電圧、リセット端子電圧、ブートモード条件、クロック発振の確認方法をSTマイクロエレクトロニクス製のSTM32G0マイコンを例に紹介します。
マイコンのピン端子にはんだブリッジやピン端子の浮きがないことを確認します。特に判定が難しいのはピン端子/はんだボールの浮きです。
顕微鏡を使用して、ピン間のはんだブリッジやピンの浮きがないか等を確認します。確認の際には実体顕微鏡を使ってピン端子を確認すると、奥行きが立体視できるので、ピン端子の浮きを判定しやすいです。
X線顕微鏡を使用して、はんだボールのブリッジや浮きが無いか等を確認します。はんだボールの浮きを確認する時には、パッケージに対して斜め方向からX線撮影すると、はんだボールの浮きを判定しやすいです。
マイコンへの供給電圧が、operating conditionを満たしていることを確認します。どのような電源供給が必要かは、マイコンのデータシートに記載があります。STM32G0の場合、電源スキームとして、データシートに記載があります(図1)
マイコンが起動するには、供給電圧VDDの電圧がoperating condition のMin値およびパワーオンリセット電圧VPORのMax値を超えている必要があります。これは、VDDがパワーオンリセット電圧VPORを超えないと、リセットが解除されないためです。
マイコンへの供給電圧の中には、名称から誤って、ユーザーが関連する機能を使用していないから不要と判断しがちなものもあります。これらの端子へ必要な電源を接続しているかを確認してください。具体例を次に挙げます。
A-DやD-Aといったユーザーが直接使用するアナログ回路以外に、RC発振回路、リセット回路、PLLなどマイコンの動作に不可欠なアナログ回路に使われています。
IO電圧供給がVDDIOとして分離されているマイコンの場合は、IO電圧供給をVDDと同じ電圧にする場合、VDDに接続する必要があります。
外部バッテリーを使用していない場合、バッテリーバックアップ電源VBATはVDDに接続する必要があります。
同名ピンはピン配線を省略せず、全て接続されている必要があります。
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