Arm Cortex-X4を4コア搭載、スマホ向けフラグシップSoC:メディアテック Dimensity 9300
メディアテックは、スマートフォン向けのフラグシップSoC「Dimensity 9300」を発表した。2023年末までに、同製品を内蔵したスマートフォンが発売される予定だ。
メディアテックは2023年11月、スマートフォン向けのフラグシップSoC(System on Chip)「Dimensity 9300」を発表した。2023年末までに、同製品を内蔵したスマートフォンが発売される予定だ。
スマートフォン向けフラグシップSoC「Dimensity 9300」 出所:メディアテック
同製品は、TSMCの第3世代4nmプロセスを用いた。最大3.25GHzで動作するArm Cortex-X4コアを4基、最大2.0GHzで動作するCortex-A720コアを4基備えている。
メディアテックのAI(人工知能)プロセッサ「APU 790」も内蔵。整数および浮動小数点演算の性能が倍増した一方で、消費電力は45%低減している。Transformerモデルを採用していて、処理速度が同社前世代品と比較して8倍高速化。Stable Diffusionを用いることで、画像生成は1秒以内に完了する。
GPUは、Arm Immortalis-G720を採用していて、従来品の「Dimensity 9200」に比べてGPU性能が約46%向上した。一方で、消費電力は同程度となっている。同社前世代のチップセットとの比較では、GPUの消費電力が40%低減した。
ディスプレイは、180HzのWQHDと最大120Hzの4Kに対応。折りたためるデュアルアクティブディスプレイにも対応できる。
5Gモデムは、サブ6GHzの4CC-CAおよびミリ波の8CC-CAをサポートする。メモリは9600Mビット/秒のLPDDR5Tに対応した。
- メインストリームの5Gデバイス用チップセット
メディアテックは、メインストリームの5G(第5世代移動通信)デバイス向けチップセット「Dimensity 6100+」を発表した。3GPP Release-16標準に対応した5Gモデムと最大140MHzの2CC 5Gキャリアアグリゲーションを統合している。
- IoTデバイス向けチップセット
MediaTekは、工業やスマートホームでのIoTデバイス向けチップセット「Genio 700」を発表した。2.2GHz動作のプロセッサコア2つと、2.0GHz動作のプロセッサコア6つを搭載している。
- 産業用IoT/PC向け5G対応モデムチップセット
MediaTekは、5G(第5世代移動通信)に用いるサブ6GHzおよびミリ波帯に対応したモデムチップセット「T800」を発表した。4nmプロセスを用いたもので、最大7.9Gビット/秒のダウンロード速度および最大4.2ビット/秒のアップロード速度を備える。
- 4Kテレビやゲームに適したAIエンジン搭載SoC
MediaTekは、リフレッシュレート120Hzの4Kテレビに適したAIエンジンを搭載したSoC「Pentonic 700」を発表した。スマートTVやゲーム、ビデオ会議などに適する。2022年10〜12月に、同SoC搭載のスマートTVを発売予定だ。
- プレミアムAIoTデバイス向けSoC
MediaTekは、AIoTデバイス向けSoC「Genio 1200」を発表した。オクタコアCPU、5コアGPU、2コアAIプロセッサを搭載し、スマート家電、工業用IoTアプリケーション、AI搭載デバイスなど、プレミアムAIoTに適する。
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