105℃の高温環境に対応する、2016サイズの小型差動出力水晶発振器:小型光通信モジュール向け
日本電波工業は、小型光通信モジュール向けに、2016サイズの差動出力水晶発振器「NP2016SA」「NP2016SB」を開発した。105℃の高温に対応し、位相ジッタは70フェムト秒となっている。
2016サイズ小型差動出力水晶発振器 出所:日本電波工業
日本電波工業は2024年3月、小型光通信モジュール向けに、2016サイズの差動出力水晶発振器「NP2016SA」「NP2016SB」を開発した。既にサンプル出荷を開始し、量産は2025年1月を予定している。
光伝送モジュールの小型化や高速化に伴い、表面実装部品も小型化が求められている。また、高速大容量データを扱うモジュール内部の温度上昇に耐えられる高温性能の需要も高まっている。さらに、高速データの通信品質を保持するには、低い位相ジッタの基準クロック源が必要だ。
両製品は、同社がフォトリソグラフィー技術を活用して開発。105℃に対応可能な、2016サイズ(2.0×1.6×0.7mm)の低ジッタ差動出力発振器だ。
差動出力規格はNP2016SAがLVPECL、NP2016SBはLVDSに対応する。両製品ともに公称周波数範囲が100M〜170MHz、動作温度範囲が−40〜+105℃、位相ジッタは70フェムト秒(Typ.)。総合周波数許容偏差は最大±50×10−6、電源電圧は+2.5V/+3.3Vとなる。
データセンター内の光伝送モジュールは、800Gビット/秒から1.6Tビット/秒へと高速規格への移行が進んでいる。水晶製品は、高速伝送の基準クロック源として、今後も需要が増加することが見込まれる。
- 高温動作、高周波出力対応の温度補償水晶発振器
日本電波工業は、125℃の環境で動作でき、100MHzまでの高周波出力に対応した温度補償水晶発振器「NT2016SHC」を発表した。フォトリソグラフィ工程による水晶振動子設計の最適化に加え、高温動作、高周波に対応した発振回路を採用している。
- 代表周波数76.8MHzのサーミスター内蔵小型水晶振動子
日本電波工業は、代表周波数76.8MHzのサーミスター内蔵水晶振動子「NX1210AC」を開発し、サンプル出荷を開始した。同社従来品と比較して、実装面積を38%縮小している。
- 低加速度感度の水晶振動子
日本電波工業は、低加速度感度の水晶振動子「NX3225SP」を開発し、サンプル出荷を開始した。耐振動性能の向上により、加速度感度が0.1ppb/gとなっている。
- 低位相ジッタの差動出力水晶発振器
日本電波工業は、低位相ジッタ差動出力水晶発振器として、LVPECL方式の「NP3225SAB」とLVDS方式の「NP3225SBB」を開発した。2020年2月からサンプル出荷を開始し、2020年9月の量産を予定している。
- 車載用途向けリアルタイムクロックモジュール
セイコーエプソンは、32.768kHzデジタル温度補償水晶発振器を搭載した、車載用途向けリアルタイムクロックモジュール「RA8000CE」「RA4000CE」を開発した。動作温度範囲は−40〜+125℃で、車載機器や高温対応が求められるFA機器などに適する。
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