日本電波工業は、代表周波数76.8MHzのサーミスター内蔵水晶振動子「NX1210AC」を開発し、サンプル出荷を開始した。同社従来品と比較して、実装面積を38%縮小している。
日本電波工業は2021年6月、代表周波数76.8MHzのサーミスター内蔵水晶振動子「NX1210AC」を開発し、サンプル出荷を開始した。量産開始は2022年1月の予定。高周波への対応が求められる、5G(第5世代移動通信)スマートフォン向けチップセットでの需要を見込む。
5Gへの移行に伴って、チップセットに用いられるクロック源の高周波数化が進み、低位相ノイズへの要求が高まっている。その対策の1つとして、水晶振動子の周波数を38.4MHzから76.8MHzへと高周波化することが求められている。
NX1210ACの周波数範囲は38.4M〜96MHzで、サイズは1.2×1.0×0.55mm。同社は、小型かつ高周波な製品を開発すべく、自社で育成した原石を用いたほか、同社独自のフォトリソ加工技術を水晶片に施した。
同社従来品の「NX1612SD」(76.8MHz)と同等の特性を保ちながら、実装面積を38%縮小。動作可能温度範囲は−30〜+105℃、保存温度範囲は−40〜+105℃で、等価直列抵抗は最大30Ω、負荷容量は7pFとなっている。
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