今回は、温調器の修理をリモートでサポートした様子を報告する。
コロナが流行した頃、修理業務を客先に訪問せずにリモートでサポートできないかと考えていた。そんなときに、修理について指導している友人から部品修理の相談があった。
温調器で「Err2」が表示されるので、単体でチェックしたら「oooo」と表示されます。修理するにはどうしたらよいでしょう?
「Err2」と「oooo」のエラー表示は原因が違う。2つの不具合が隠れているのではないかと感じた。友人ということで、リモートサポートを試すには良い機会だった。というわけで今回は温調器の修理をリモートでサポートした様子を報告する。友人から送られてきた温調器の写真を図1に示す。なおメーカー名と型名は消してある。
図1のように温調器には「oooo」表示が出ている。「oooo」の表示はメーカーの取扱説明書にはオーバースケールと記載されていた。どうやらセンサーがつながっていないようだ。図2に取扱説明書の表示に関する説明部分を示す。
最初に連絡があった「Err2」は、以前に同機種の温調器を修理した際の経験から「アナログ電圧の−5Vの生成電圧不良」と推測されたので、−5Vの生成回路を確認するように友人に伝えた。すると、想定外の実装不良の回答があった。友人からのコメントと写真を図3に示す。
図3左が今回の状況で、図3右は以前に温調器を修理した際の写真だ。友人からは、
CPU基板でコンデンサーの電圧を確認しようとしたところ、コンデンサーの極性が逆に実装されているように見えました。これは仕様なのでしょうか?
というコメントが添えられていた。
基板の極性のシルク印刷で逆実装が分かる。図3左の赤丸で示した2つの電解コンデンサーが逆に実装されている。にわかには信じられない。
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