サンケン電気は、PFC用デジタル制御IC「MD6753」の量産を開始した。インターリーブ方式トーテムポール型ブリッジレスPFCをフルデジタルで制御する電源ICで、電力の目安は1kW以上としている。
サンケン電気は2024年8月、PFC用コントロールIC「MD6753」の量産を開始した。インターリーブ方式のトーテムポール型ブリッジレスPFCをフルデジタルで制御する電源ICで、電力の目安は1kW以上としている。
トーテムポール型ブリッジレスPFCは、ダイオードブリッジがなく同期整流を行う高効率な電源システムだ。インターリーブは、2組のスイッチを使ってスイッチング損失を分散し、1つのスイッチの負荷が軽減されることで熱設計が容易になる方式だ。
MD6753は、臨界モードでインターリーブ制御することで、入力リップル電流およびスイッチング損失を低減し、高効率で低ノイズの電源システムを容易に構成できるという。
トーテムポール回路では、パワーラインにダイオードがないため高効率という利点がある一方、制御の複雑さから部品点数が多くなってしまう。MD6753ではこの欠点を補うため、専用のデジタル回路で設計をシンプルにし、部品点数も削減して電源設計を容易にしている。
パッケージは18.7×9.9×2.2mmのSOP28を採用し、マイコンチップと高耐圧アナログチップを1パッケージに納めた。主な用途として、AV機器、サーバや多機能プリンタなどのOA機器、産業機器、通信機器など、1kW以上の大電力電源を見込む。
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