マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心者の方からよく質問される「DRAMとは何?」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心者から多く寄せられる質問です。
マイコンのマニュアルに「DRAM」(例:Synchronous DRAM)と書かれていますが、そもそもDRAMとは、どういう機能ですか? どのような仕組みで、どのように使うのでしょうか?
DRAM(Dynamic RAM)とは、コンピュータシステムなどのメインメモリに用いられるメモリの一つです。Synchronous DRAM(以降、SDRAM)とは、DRAMの規格の一つです。外部のクロック信号に同期して動作するDRAMです。
DRAMについては、「Q&Aで学ぶマイコン講座(37)メモリの種類と特長」で簡単に説明しました。データを保持するために、ダイナミック型のメモリセルを使用したRAMをDRAMと呼びます。1つのトランジスタと小容量のコンデンサーで構成され、コンデンサーの電荷の有無によってデータを保持する方式です。コンデンサーに電荷が有る時はデータ1で、電荷が無い時はデータ0です。図1に構成を示します。
コンデンサーに充電された電荷は漏れ電流によって、時間とともに減衰しますので、一定時間ごとにセルを元の状態に戻す必要があります。これをリフレッシュと呼びます。
マイコンを使ったシステムで実際に使われているのはSDRAMが多いです。SDRAMにはクロック信号が入力され、その立ち上がりのタイミングで回路を動作させています。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)のSTM32ファミリー*1)を含め、いくつかのマイコンには、SDRAMをアクセスできる周辺機能を持っています。
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