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EDA大手3社、Intel「18A」向けツールでそろい踏みAI主導ツールを相次ぎ投入

EDAベンダー大手3社による、Intel「18A」プロセス向けツールが出そろっている。3社は、2025年4月に開催された「Intel Foundry Direct Connect 2025」にてAI主導のツールを紹介し、注目を集めた。

» 2025年05月09日 10時00分 公開
[Majeed AhmadEDN]

 EDAベンダーの大手であるCadence Design Systems(以下、Cadence)とSiemens EDA、Synopsysは、Intelのイベント「Intel Foundry Direct Connect 2025」(米国カリフォルニア州サンノゼ、2025年4月29日)において、Intelの「18A」プロセスノードに向けたAI駆動型のアナログ/デジタル設計フローを披露し、注目を集めた。また、SerDesからDDR5、Universal Chiplet Interconnect Express(UCIe)に至るまで幅広いIP(Intellectual Property)も提供している。

 これら3社は、Intel Foundryの「EMIB-T(Embedded Multi-die Interconnect Bridge-T)」技術に向けたワークフローを提供することにより、先進パッケージングのパートナーシップ契約を締結したという。EMIB-Tは、パッケージング技術「EMIB 2.5D」と「Foveros 3D」のメリットを組み合わせ、レチクル限界を超えるダイサイズで高密度インターコネクトを実現する。

 下記に、3社がこれまでに発表した、18A向けに認定されたEDAフローを簡単に紹介しよう。

 Cadenceは、18A PDK(Process Design Kit)に向けた「RTL-to-GDS」フローの認定を受けた。その中には「Cerebrus Intelligent Chip Explorer」や「Genus Synthesis Solution」「Innovus Implementation System」「Quantus Extraction Solution」「Quantus Field Solver」「Tempus Timing Solution」「Pegasus Verification System」などが含まれる。

 Siemens EDAの18A製造PDK向けツールでは、サインオフツール「Calibre nmPlatform」とソフトウェアツール「Solido SPICE」「Analog FastSPICE(AFS)」が認定されている。また同様に、Intel 18A-Pプロセスノード向けの「Calibre nmPlatform」/「Solido Simulation Suite」の認定も現在進めているところだ。これらのEDAツールは、Intel 14A-Eプロセス定義と既に利用可能になっている初期ランセットの一部でもある。

 Cadenceは、18Aプロセスノードに向けた幅広い種類のIPを発表した。その中には、112G拡張ロングリーチ(112G-ELR)SerDesや、PCIe 6.0/CXL 3.0/56Gイーサネット向け64G MP PHY、マルチスタンダード対応のLPDDR5X/5 - 8533 Mbps、先進パッケージング向けUCIe 1.0 16Gなどが含まれる。

 また同社は、IP製品の他にも、Intel Foundryとの協業により、EMIB-T技術を活用するための先進パッケージングワークフローの開発に取り組んでいる。このワークフローは、標準規格に準拠しながら、複雑なマルチチップレットアーキテクチャのインテグレーションを効率化するという。

IntelとCadenceは、Intel 18Aプロセス向けツールでも強固に連携している[クリックで拡大] IntelとCadenceは、Intel 18Aプロセス向けツールでも強固に連携している[クリックで拡大]

 一方Siemens EDAは、シリコン貫通ビア(TSV)技術を用いたEMIB-T技術向けのリファレンスワークフローの認定を発表している。これは、同社の「Innovator3D IC」ソリューションで動作し、デジタルツイン構築のための統合型コックピットを提供するという。また、設計計画やプロトタイピング、完全なパッケージアセンブリの予測分析などに向けた、統合型データモデルを搭載する。

 Synopsysは、同社の「3DIC Compiler」を採用することでリファレンスワークフローをサポートし、バンプ/TSVの初期プランニングや、最適化による効率的なEMIB-T設計を実現する。さらに、UCIe/広帯域メモリ(HBM)の自動ルーティング機能も備え、高品質な成果や高速な3Dヘテロジニアスインテグレーションの実現が可能だ。3DIC Compilerは単独環境において、実現可能性/パーティショニングや、プロトタイピング/フロアプランニング、マルチフィジックスサインオフなどを支援する。

SynopsysのIntel「18A」向けツールの一例 SynopsysのIntel「18A」向けツールの一例

【翻訳:田中留美、編集:EDN Japan】

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