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反転形DC/DCコンバーターの設計(4)不連続モードの振る舞いたった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(18)(2/3 ページ)

» 2025年06月27日 11時00分 公開

不連続モード時の出力特性

 不連続モードにおける出力電圧をoff領域に着目して次のように計算します。
 toff’期間中にチョークLから負荷に供給される電流の1周期平均値が出力電流Ioであり、このIoにVoを掛けたものが出力電力Poに等しいので7式が成立します。

式A

ですから

式B

となり式を整理します。

7式

 7式にLの基本式とtoff’を表す2式を代入すると8式になります。

8式

 前回シリーズと同じく

式C

とまとめて8式を整理すると9式になります。

9式

 9式からステップアップ形と同様にton’を一定にした条件下では軽負荷(β→∞)時にVoが限りなく上昇していくことが分かります。
 不連続モードに限りますがこの現象を利用すればオン時間を10式で決まる値に制御するだけで連続モード時より大きな変換比が得られます。
 6’式を変形すると10式になり、不連続条件下でVoを安定化させるton’が決まります。

10式

過電圧保護回路

 前回シリーズのステップアップ形と同様に反転形DC/DCコンバーターでも軽負荷時の電圧上昇は昇圧比50倍以上に達することがあります。人体への電撃ショックを考慮するとやはり過電圧保護回路は必須です。ですが異常時になって過電圧保護回路の動作が求められた時に回路が故障していては本末転倒です。
 この保護回路を確実に動作させるためには信頼性の高い部品を使用し、できる限り簡単な原理の回路を最小点数で構成することが望ましいといえます。

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