エッジシステムに用いるストレージは、高負荷、過酷な環境、長時間稼働といった課題をクリアする必要があります。コンシューマー向けSSDは十分に制御された環境での使用を前提に、低コストと高いピーク性能を重視して設計されています。耐用年数の面では、2〜3年程度で故障したとしても大きな問題になることはないでしょう。エンタープライズ向けSSDは冗長性を備えたスケーラブルなシステム向けに設計されており、その多くはRAID構成に組み込まれます。一般的なエッジ環境での使用を考えた場合、これらのSSDはサイズが大きく、熱の発生も避けられないので、冷却装置の無い密閉されたエッジシステムには適していません。
さらに、エッジシステムが自律的に制御されている場合、ストレージの故障はシステム全体の停止につながります。しかも、多くの場合、簡単なメンテナンスやSSDの交換ができません。エッジシステムのストレージは、熱や電圧変動、振動が発生する環境下でも高信頼性での動作が求められます。以下に、エッジ環境におけるSSD選びの重要ポイントをリストアップします。
NVMeは高帯域幅と高速データ転送速度といった特徴からゲーミングやデータセンター分野で広く用いられています。エッジ環境においてもその重要性が増していますが、重視されるポイントは帯域幅ではなく互換性、エネルギー効率、そして将来性です。
NVMeはSATAに最適化されたAHCIと異なり、最大6万4000のキューと各キューで最大6万4000コマンドを並行処理可能な通信プロトコルです。これによって、高いパフォーマンスを発揮するだけでなく、一貫した低レイテンシを実現できるので、エッジシステムで一般的なリアルタイム解析に適しています。また、NVMeの標準化によって、BGA(基板実装)、M.2(交換可能)、E1.S(ホットスワップ可能)といった多様なフォームファクタで実装できます。
スイスビットでも各種フォームファクタの製品を取り扱っています。
さらに、NVMeのファームウェアは電力管理や熱管理に関する多くのカスタマイズが可能です。
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