他にも点滅LEDの回路で類似の回路を見かけることもあった。一般的な誤ったLEDの点滅回路例と、これを改善するLEDの点滅の回路例を図3に示す。なお、改善回路は部品を増やさないでLEDの位置をトランジスタのエミッタとGND間に移した。これなら12V電圧でもトランジスタの劣化を少しは防ぐことができる。
図3左は過去に不具合が出たマルチバイブレーターの回路(1)だ。この回路では、トランジスタがONした瞬間に電解コンデンサーに充電された12V電圧によって、反対側のトランジスタのベースに-12Vが印加されOFFする。この時にトランジスタのVEBOの最大定格を超えるため、ブレークダウンし−8V程度の電圧になる。つまり、トランジスタがON/OFFを繰り返すたびにブレークダウンが発生し、トランジスタが劣化が進行し、hFEが徐々に低下していく。その結果、LEDに流す電流が徐々に低下してLEDの輝度が下がり、最後はマルチバイブレーターの発振が止まることになる。説明のため、図3の回路(1)の実装回路とベース電圧の波形を図4に示す。なお、オシロスコープの電圧レンジは2v/divだ。
図4の左は回路(1)を実装し、右はベース波形をオシロスコープで確認した結果だ。右図からベース電圧が-12Vでなく、-8.5Vから始まっていることが分かる。また、ONからOFFへ切り替わる際の電圧差は10V程度であり、3.5V程度の電圧がブレークダウンしている。この結果から、-12Vが印加された瞬間に、トランジスタがブレークダウンしていることが分かる。
図3右はブレークダウンの発生を防いだ回路(2)だ。ここではLEDの逆耐圧とトランジスタのVEBOが直列接続されるため、トランジスタのブレークダウンが発生しにくくなる。回路(2)も実装して、波形を確認した。図5に示す。これもオシロスコープの電圧レンジは2v/divだ。
図5の左は回路(2)を実装したもので、右は回路(2)のトランジスタのベース波形だ。トランジスタがONしてOFFした瞬間の電位差は10V程度になった。ブレークダウン対策は完璧ではないが、2V程度に軽減されている。
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