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arm vs RISC-V!主要MCUの特徴と性能を徹底比較知っておきたい主要MCU(1/3 ページ)

今回は主要なマイクロコンピュータ(MCU)コアと、その機能や特長について説明します。

» 2026年01月28日 09時30分 公開
[リョーサン]
株式会社リョーサン

本連載はリョーサンが運営するマガジンサイト「リョーサンテクラボ」に掲載された記事を転載しています。本記事は2025年3月28日に公開されたものです。

 近年ちらほらと聞こえるようになったRISC-V、皆さんはどんなコアかご存じですか? armコアが普及して簡単に手に入るようになった現在、各社のオリジナルコアを使ったマイクロコントローラー(MCU)かarm MCUかの選択が多いと思いますが、第3勢力としてRISC-Vコアを使用したMCUも登場しています。

 本記事では各コアの特長、機能/性能、主要なMCUを紹介していきます。皆さまのMCU選定の一助となれば幸いです。

図1

1. 主要なMCUコア

 arm、RISC-V、MCUベンダーのオリジナルコア(RL78、RX、PIC)を紹介します。RISC-V以外はW/Wで使用されているのでご存じの方も多いと思いますが、各コアの沿革や背景などを見ていきます。

arm(アーム)

 armは、armコアを提供するイギリスの会社arm社のことであり、同社の提供する命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)を指します。arm社では、ISAのライセンスとIP(Intellectual Property)提供の両方を行っています。

 arm社は、1978年に前進となるAcorn Computers社がスタートアップ企業として創業し、初のarmプロセッサ「ARM1」が設計されました。1990年にはAdvanced RISC Machines LTDとして正式設立され、1993年よりIPビジネスモデルを導入しています。以降、携帯電話から徐々に普及していき、2000年代に「Cortex-A」「Cortex-R」「Cortex-M」を市場投入しました。

 armは低消費電力と高性能を両立し、組み込み機器からスーパーコンピュータまでさまざまな機器で使用されており、多くのMCUベンダーがarmコア搭載MCUをリリースしています。最たるものはスマートフォンで、そのCPUはほとんどがarmベースのプロセッサを採用しています(arm社調べ:99%)

 MCU向けのarmコアに注目すると、現在は以下のようなコアを搭載した製品がリリースされています。「ARMv6-M」「ARMv7-M」などはアーキテクチャを指しており、数字が大きくなるほど新しい世代のアーキテクチャとなります。

  ・ARMv6-M       Cortex-M0/Cortex-M0+/Cortex-M1
  ・ARMv7-M       Cortex-M3/Cortex-M4/Cortex-M7
  ・ARMv8-M Baseline  Cortex-M23
  ・ARMv8-M Mainline  Cortex-M33/Cortex-M35P
  ・ARMv8.1-M Mainline Cortex-M52/Cortex-M55/Cortex-M75

RISC-V(リスク-ファイブ)

 RISC-Vはカリフォルニア大学バークレー校(UCB:University of California, Berkeley)が研究用として開発したISAです。2011年頃から検討が開始され、論文発表を経て商用化を目指した団体「RISC-V Foundation」を設立し、ISAを公開しました。

 RISC-Vは完全にオープンで、ISAを使用するためのライセンス料は不要です。

 RISC-V Foundationは非営利団体で100を超える企業が参加しています。2025年2月時点でPremier 23社、Strategic 166社が登録されており、それぞれグループに分かれて仕様策定の議論やエコシステム開発を実施しています。ISAを実装する会社(IPコアベンダー、MCUベンダー)と管理する団体(RISC-V Foundation)が完全に分離されているため、ISAの取り扱いに関して1社の都合に影響されません。

 RISC-VのIPコアベンダーとしては以下のような会社があり、その他に自社MCU向けにRISC-Vコアを開発するMCUベンダーもあります。

  ・Andes Technology
  ・Cadasip
  ・Cortus
  ・Quintauris
  ・SiFive
  ・Synopsys

 RISC-VのコアはISAの種類/組み合わせで分類されており、ビット数の数値以降にオプションなどの内容が続くものとなっています。オプションの内容に関しては後述します。

  ・32bit   RV32I/RV32E/RV32GC
  ・64bit   RV64I/RV64E/RV64GC
  ・128bit   RV128I

オリジナルコア

 国内でよく見かけるオリジナルコアを3点紹介します。

  1. PIC(Peripheral Interface Controller)
 マイクロチップ・テクノロジー製のMCUコア、同名のMCUファミリーを展開しています。「PIC16/PIC18/PIC20」は8bitコアの製品群、「PIC24/dsPIC33」は16bitの製品群です。「PIC32」はARM CortexやMIPS32を採用した32bitの製品群となっています。歴史のあるコアで、1975年にジェネラル・インストゥルメント社により開発され、1985年にPIC事業部門が独立してマイクロチップ社となりました。

  2. RL78
 ルネサス エレクトロニクス製の16bitコア、同名のMCUファミリーを展開しています。旧NECエレクトロニクス製「78K0R」を改良したもので、3段パイプライン・ハーバード・アーキテクチャを採用しており、CPU処理性能が飛躍的に向上しています。

  3. RX
 ルネサス エレクトロニクス製の32bitコア、同名のMCUファミリーを展開しています。5段パイプライン・ハーバード・アーキテクチャを採用しており、「RXv1」から始まり「RXv3」と3代目がリリースされています。旧製品である「H8S/H8SXファミリー」「M16C/R32Cファミリー」で培ったCISCの長所と、「SuperHファミリー」で培ったRISCの長所を融合し、CISCでありながらRISCの高速化手法を取り入れたコアとなっています。コード効率、演算性能、電力効率で強みを発揮します。

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