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シーメンス時代に開発された「TriCore」 今は車載MCUで息づくマイクロプロセッサ懐古録(19)(2/4 ページ)

» 2026年08月25日 11時00分 公開
[大原雄介EDN Japan]

拡張が予定されていたTriCore

 またSiemensも続くInfineonも、このTriCoreシリーズを積極的に拡張して行くつもりだった。図6は1999年度版のTriCoreのロードマップである。この時点ではTriCore 1はプロセスの微細化だけで、TriCore 2でDSPの性能を上げると共に64bit化、TriCore 3ではマルチプロセッサ構成を想定というものだった。これが2002年にはこうなっている(図7)。ここで

  • TC1 v1.1(TC110):オリジナルのTriCore構成そのまま。
  • TC1 v1.2(TC120):若干の性能改善に加え車載/産業機器向け安定性能強化や命令デコードの最適化、周辺回路との接続を改善
  • TC1 v1.3(TC130):プロセス微細化による高速動作、及び内部構造の変更。更にMMUを搭載したほか、コプロセッサ向けI/Fを搭載

となっている。

図6:TriCore Architecture Overview Handbook(v1.2.1:1999年2月)より。まだこの時点ではTC1世代は細かく分かれていない[クリックで拡大]
図7:TC1が細かく分かれた他、TC1MLが追加された。TC3はちょっと後ろにずれている[クリックで拡大]

 ちなみにTriCore 1はこれで終わりではなく、まず2007年にTC1 v1.3.1(TC131)がリリースされた。こちらは命令定義をクリーンナップし、仕様のerrataを訂正。またEABI(Embedded Application Binary Interface)に準拠するといった形になっている。そして2012年5月にはTriCore V1.6のマニュアルが公開され(図8)、2013年にはこれを搭載した製品(AURIX TC2xxシリーズ)が出荷された。さらに2017年にはTC1 v1.6.2が発表され、同時にAURIX TC3xxシリーズも発表された。最新のものは2022年にアナウンスがあったAURIX TC4xシリーズで、これにはTC1 v1.8が搭載されている。ただこのTC1 v1.8に関しては、いまだにユーザーマニュアルが公開されていない。

図8:Volume 1の表紙。Volume 2はInstruction Set Manualになっている(分冊化された格好)[クリックで拡大]

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