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注目集めたハイブリッド車、電気自動車のコンセプト展示パリモーターショー2008(2/3 ページ)

» 2009年01月01日 00時00分 公開
[Automotive Electronics]

リチウムイオン電池採用のハイブリッド

写真7 Daimler社の「MercedezBenz S400 BlueHYBRID」 写真7 Daimler社の「MercedezBenz S400 BlueHYBRID」 量産車としてはリチウムイオン電池を世界で初めて搭載する。3.5リットルV6ガソリンエンジン(最高出力205kW)に15kWの電気モーターを組み合わせておりCO2排出性能は190g/km。「レクサス LS600h」の219g/kmよりは「GS450h」の186g/kmに近い性能を誇る。
写真8 S400BlueHYBRIDのパワートレイン 写真8 S400BlueHYBRIDのパワートレイン 3.5リットルガソリンエンジンと7速トランスミッションの間に、15kWのモーターを搭載するシンプルな構成。蓄電デバイスとして、リチウムイオン電池は今後のスタンダードとなるのだろうか。
写真9 Daimler社の次期Eクラスのコンセプトモデル 写真9 Daimler社の次期Eクラスのコンセプトモデル 2009年発売予定のベンツEクラスのデザインスタディモデル。メルセデスベンツは、将来型コンセプトカーをワゴンボディで出す傾向があるが、このモデルもワゴンスタイル。詳細なスペックは公表されていないが、最新の安全性能と環境負荷低減アイテムが搭載されるだろう。
写真10 smartの「smarted」 写真10 smartの「smart ed」 ロンドンで100台規模の実証実験が行われているsmartの電気自動車だが、この新型で2008年9月から電力会社のRWEと“e-mobility Berlin”というプロジェクトをベルリンで始めた。約10年前から小型モビリティの革新的アイディアを提唱するスマートは他にもハイブリッド、代替燃料、など多彩なパワートレインを用意する。
写真11 BMW社の「BMW7-Series Active Hybrid Concept」 写真11 BMW社の「BMW7-Series Active Hybrid Concept」 X6にコンセプトモデルとして搭載してきたハイブリッドシステムを7シリーズにも搭載した。4.4リットルV8ガソリンエンジンに組み合わされるのは、基本的にはDaimler社、GM社、Chrysler社と共同開発した2モード・フルハイブリッドシステムだ。2009年後半の発売予定なので、LS600h、S400BlueHYBRIDと三つ巴の戦いになるだろう。
写真12 VWグループの「GolfGTI」 写真12 VWグループの「GolfGTI」 ベーシックモデルの全高を低くすることで、よりスポーティな外観とし、パワートレインには、2リットル直噴エンジンを搭載。フロントデフには新開発の電子制御LSD(XDS)を持つ。2009年春に市場投入する予定。日本市場でも、2009年中頃の新型ゴルフに続き、同年内に新型ゴルフGTIを導入するという。
写真13 Audi社の「A1」 写真13 Audi社の「A1」 昨年の東京モーターショーで公開された「メトロプロジェクトクワトロ」の5ドア版と言えるこのA1スポーツバックコンセプト。1.4リットルのターボエンジンとハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインを、コンパクトでスタイリッシュな外観のボディに組み合わせた。市販して欲しいクルマの最有力候補だ。
写真14 Audi社の「A4TDICon-cepte」 写真14 Audi社の「A4TDICon-cepte」 外観は市販されているA4と変わりないが、Euro6を満たす排ガス性能と105g/kmのCO2排出性能を誇る。ベースのA4TDIに燃費向上アイテムを投入したモデルで、そのアイテムは、アイドルストップ、減速時のエネルギー回生、暖気促進制御などから、ピストンリングの摩擦低減、マグネシウム合金による軽量化などまでと多岐に渡る。
写真15 Volvo社の「DRIVe」 写真15 Volvo社の「DRIVe」 ボルボはDRIVeシリーズと名づけた、「C30」、「S40」、「V50」を出展した。CO2排出性能は115?118g/km。1.6リットルターボディーゼル搭載車をベースに、燃費向上やCO2排出量低減に効果的な、さまざまな改良を加えてクラストップとなるこの数値を達成している。
写真16 Saab社の「Saab9-XAir」 写真16 Saab社の「Saab9-XAir」 コンパクトなオープンスポーツに、BioHybridと呼ぶE85(バイオエタノール85%)対応エンジンとハイブリッドシステムを搭載したコンセプトカー。バイオ燃料使用時で147kWの最高出力、CO2排出性能は107g/km。ガソリン使用時では125kW、119g/kmと性能が劣る点からも、バイオ燃料を主に開発していることが分かる。

 次はドイツのカーメーカーから。Daimler社は、かねてから噂のあったベンツSクラスのハイブリッド車を遂に発表(写真7、8)。この「Mercedez Benz S400 Blue HYBRID」は、3.5リットルのガソリンエンジンをベースとしたハイブリッド車で、ハイライトは量産車初のリチウムイオン電池を搭載する点にある。2009年6月から欧州市場で販売を開始する予定で、その後中国、北米市場への投入も計画している。その他にも、2009年にデビューする新型Eクラスのデザインスタディーモデルを展示した(写真9)。ワゴンながら力強くエッジの効いたデザインエッセンスはセダンにも通じるのだろう。

 smartブランドからは、電気自動車の「smart ed」が登場した(写真10)。2007年12月から、ロンドンで100台規模で行っているsmartの実証実験では、ニッケル水素電池と30kWのモーターを採用しているが、今回発表した新型は、2次電池をリチウムイオンに変更し、2008年9月から開始するベルリンでの実証試験に使用するという。

 BMW社は、ハイエンドサルーン「7シリーズ」の新モデルを登場させた上で、さらにハイブリッドモデルも展示した(写真11)。採用するハイブリッドシステムは、Daimler社、GM社、Chrysler社などと共同開発した2モードハイブリッドだ。「レクサスLS600h」、「S400 Blue HYBRID」との三つ巴の戦いが興味深い。

 Volkswagen(VW)グループは、ゴルフの新型、いわゆる「Golf 6」と同時に、ハイパフォーマンスモデルである「Golf GTI」もお披露目した(写真12)。現行の「Golf 5」より直線基調になり若干コンパクトに見える。

 Audi社は、「A1」というAudi社として最小の5ドアハッチバックを披露した(写真13)。非常にコンパクトながらAudi社らしい上質感があり、シティコミュータとしてとても素敵な自動車に仕上がっている。また、「A4 TDI」をベースに、排ガス性能とCO2排出性能を高めた「A4 TDI コンセプトe」も展示されていた(写真14)。外観は通常のA4 TDIとなんら変わらないのだが、Euro6、105g/kmという文字の入ったステッカーが誇らしい。

 もともと環境対応性能で優秀なイメージを有する北欧のメーカーからは、スウェーデンVolvo社が「DRIVe」というシリーズ展開を発表した(写真15)。空気抵抗を10%以上低減するデザインや、低転がり摩擦タイヤなど、細かなチューニングを施すことで、CO2排出性能は115〜118g/kmと、同クラスではCO2排出量が最も少ない。

 Saab社は、以前からあるバイオ燃料対応車のイメージにハイブリッドシステムを組み合わせたコンセプトカー「Saab 9-X Air」を展示した(写真16)。比較的コンパクトなオープンスポーツカーで、エンジンはもちろん100%フレックスフューエル対応だ。

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