今回は、アジア圏を中心に普及が進むFelicaについて解説します。
早速だけどムサシくん、編集部への配属記念に、念願のスマートフォンを買っちゃった! これで私も高機能携帯ユーザーの仲間入り。
ふーん。とかいって夏子ちゃん、実は携帯電話とスマートフォンの違い、知らないんじゃないの?
ムサシくん、そういう態度、女性にモテないよ? ところで以前登場していた乙女さんはどうしたの?
乙女ちゃんは……か、海外旅行中だよ! まぁいいから、早速始めよう。今回紹介するのは「FeliCa」だ。
アジア圏を中心に普及が進むFeliCa。日本では、JRの乗車ICカード「Suica/ICOCA/TOICA/Kitaka/SUGOCA」やビットワレットの電子マネー「Edy」、NTTドコモのFeliCa搭載携帯電話「おサイフケータイ」などで採用され、近年では携帯電話上のBluetooth機能と連携する新機能「CROSS YOU(クロスユー)」も発表されるなど、その適応範囲は更なる広がりを見せている。
FeliCaって、こんなにたくさんのカードや機器に組み込まれているんだ。要するに非接触での認証や情報交換を実現する技術だよね?
まぁそうだね。ただしそれだけを行う技術ならFeliCa以外にもたくさんあるよ。FeliCaの仕組み、特長、他の技術との違いを順に説明していこう。
FeliCaは13.56MHzの周波数を使用した非接触のICカード技術方式。1枚のカードで乗車料金の支払いやポイントの付与、ID認証など、さまざまな情報通信ができる。
使い方は非常にシンプルで、リーダー/ライターから10cm以内の距離にカード(モバイルFeliCaの場合は携帯電話)をかざすだけ。カード側にはデータを記録しておく(信号処理機能が含まれた)ICチップとデータの送受信を行うアンテナが内蔵されており、リーダー/ライターから放射される電磁波がアンテナ内を通ることで起電力が発生し、ICチップに電流が流れ、通信が行われる。
電車/バスなどの交通網カードや社員証に使用されている近接型ICカードは、大きく分けてISO/IEC 14443で標準化された「TypeA」と「TypeB」、そしてISO/IEC 18092として承認された「FeliCa」の3方式がある。それぞれ搬送波が13.56MHzと似た技術であることから、近年では3方式すべてを読むことのできるリーダー/ライターも開発されている。
ちなみに、TypeAは世界で最も普及している方式なんだ。日本では現在、たばこ自動販売機を利用する際に必要な成人識別ICカード(taspo)などで使われている。TypeBで代表的なのは運転免許証。そして日本で最も普及しているのがFeliCaだよ。
携帯電話向けのモバイルFeliCaと、ICカードのFeliCaって何が違うんだろ? できる機能は一緒だよね?
モバイルFeliCaはICカードに比べて自由度が高く、自分で好きなサービスを追加・選択できるのが特長。「モバイルFeliCa対応アプリケーション」を対応携帯電話にダウンロードすることで利用できる。乗車料金の残高や利用経歴の確認を可能にするモバイルFeliCa独自の「Viewer機能」や、最近ではデジタルサイネージなどの電子広告にタッチするとURLが送られてきて、そこから外部サイトにアクセスすると画像や音楽コンテンツがダウンロードできるサービスなんかもあるよね。
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