Alteraは2011年11月、CPLD/FPGA/ASIC用の開発ツール「Quartus II」の最新版となる「Quartus II v11.1」を発表した。同年5月に発表した「Quartus II v11.0」のバージョンアップ版となる(関連ニュース)。Quartus II v11.1の「サブスクリプション・エディション」と無償の「ウェブ・エディション」は、どちらもAlteraのWebサイトから入手可能である。サブスクリプション・エディションの費用の一例は、年間で2995米ドルとなっている。
Quartus II v11.1では、「Arria V」、「Cyclone V」、「Stratix V」といった、Alteraの28nm世代のFPGAに対するサポートを拡充している。具体的には、これまでStratix Vのみをサポートしていた論理合成と配置配線を行うコンパイルが、Arria V/Cyclone Vでも可能になった。また、Stratix V向けでは、PCI Express Gen 3のサポートや、DDR(Double Data Rate)3/QDR(Quad Data Rate)IIメモリ向けのビットストリーム生成機能などが追加されている。
さらに、システムレベルのデバッグツールである「システム・コンソール」のサポートも追加した。システム・コンソールは、デバッグの抽象化レベルを高めるとともに、同じくAlteraのデバッグツール「SignalTapTM II エンベデッド・ロジック・アナライザ」と連携することができる。このため、検証時間を大幅に短縮することが可能だとしている。
その他、次の3つの特徴がある。1つ目は「トランシーバ・ツールキット」と呼ばれる機能を搭載したことだ。Stratix Vのトランシーバに搭載されている、信号品質をオンチップでモニタリングする「EyeQ」機能をサポートし、最適な信号品質を得ながらBER(Bit Error Rate)を抑えることができるという。2つ目は、Alteraのシステム統合ツール「Qsys」の機能を拡張し、ARMの「AMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)」のプロトコルである「AXI(Advanced Extensible Interface)」のベータ版をサポートしていることだ。3つ目は、2011年10月に発表したARMのアプリケーション用プロセッサコア「Cortex-A9」をハードウェアマクロとして集積する「SoC FPGA」(EE Times Japanの関連ニュース)に対応する設計環境のプレビュー版を搭載していることである。
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