パナソニックのESD保護用チップ固定抵抗器「ERJP6Wシリーズ」は、2012サイズで業界最高となる0.5Wの定格電力を達成した。
パナソニック デバイス社は2012年3月、2012サイズ(2.0×1.2mm)のESD(静電気放電)保護用チップ固定抵抗器の新製品「ERJP6Wシリーズ」を発表した。自動車の電子制御ユニット(ECU)や各種機器のインバータ回路をESDから保護する用途に適している。抵抗器の構造、材料、抵抗体パターンを工夫するなどして、「業界最高」(同社)となる0.5Wの定格電力を実現した。3月末までにサンプル出荷を開始する。サンプル価格は5円。2012年5月から、200万個/月の規模で量産を始める予定だ。
ERJP6Wシリーズは、小型化が進んでいるECUやインバータ回路向けに、高いサージ電力に対するESD保護をより小さな電子部品を使って実現できるように開発された。具体的には、抵抗器に電力が印加される際に発生する熱を拡散する両面抵抗形成技術の採用により、抵抗体素子を両面構造に変更している。これにより、定格電力を同社従来品比の2倍となる0.5Wまで高めることに成功した。また、高い電力が印加された後の抵抗値の変化を小さく抑えるために、材料や抵抗体パターンを工夫した。電圧3kVの回路条件で、容量150pFのコンデンサへの充放電を10回繰り返した後の抵抗値変化率は±5%以内となっている。
その他の仕様は以下の通り。抵抗値範囲は1Ω〜1MΩ。抵抗温度係数は±200×10−6/℃。使用温度範囲は−55℃〜155℃である。
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