リニアテクノロジーの「LTC2389-18」は、最大2.5Mサンプル/秒動作の18ビットSAR(逐次比較)型A-D変換器ICである。S/N比は99.8dBと高く、全高調波歪(THD)は−116dBと低い。
リニアテクノロジーは、18ビットのSAR(逐次比較)型A-D変換器IC「LTC2389-18」を発売した。サンプリング速度は最大2.5Mサンプル/秒。このときS/N比は99.8dBと高く、全高調波歪(THD)は−116dBと低い(アナログ入力が2kHzのとき)。医療用画像処理システムや、産業用プロセス制御、測定器、自動試験装置などに使える。
積分非直線性誤差(INL)は最大±3LSB。ミッシングコードの無い18ビット分解能を保証する。消費電力は2.5Mサンプル/秒動作時に162.5mW。無変換時に消費電力を75μWまで低減するシャットダウンモードも用意した。
アナログ信号の入力範囲は、ユーザーが端子設定によって手元で3通りに切り替えられる。S/N比を最大限に高めたい場合は、完全差動型に設定すれば、±4.096Vに対応可能だ。入力信号を駆動する側の消費電力を低く抑えられるシングルエンドに対応する場合は、疑似差動ユニポーラ(0〜4.096V)もしくは擬似差動バイポーラ(±2.048V)に設定すればよい。ただしこの場合、S/N比は95.2dB、THDは−116dB(いずれも疑似差動時)とそれぞれ数dBずつ劣化する。
電源電圧は5V単一。パッケージは7×7mmの48端子LQFPおよびQFNを用意している。動作温度範囲は−40〜125℃。1000個時の参考単価は3390円(税込)から。評価用デモボード「DC1826A」も用意した。
なお同社は今後、この18ビット品と互換性を備える16ビット品も発売する予定である。ピン配置と制御プロトコルの仕様に互換性があるので、ユーザーは要件に応じていずれかの分解能を柔軟に選べるようになるという。
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