「Renesas VA」は、回路構成や特性をマイコン制御で変更可能なルネサスのアナログIC「Smart Analog」に向けた、Webシミュレーションツールである。市販のセンサー素子のモデルを数多くとりそろえており、それらセンサーとSmart Analogを組み合わせたシステムの動作を手軽に検証できる。
ルネサス エレクトロニクスは、独自のアナログIC製品群「Smart Analog」の動作をユーザーがWebサイト上で簡単にシミュレーションできる設計支援ツール「Renesas VA(Renesas Virtual Smart Analog Laboratory)」を開発し、2012年6月14日に提供を開始した。
ルネサスのSmart Analogは、各種センサーが出力する微小なアナログ信号を受け取って増幅し、雑音を除去した上でマイコンに対して出力する一連のアナログ信号処理経路を作り込んだ高機能集積のアナログICで、その回路構成や特性をマイコン制御で変更できることが特徴だ。ユーザーは、今回リリースされたRenesas VAを使うことで、このアナログICとセンサーを実際に購入する前の段階でも、両者を組み合わせるセンサーシステム全体の動作をWeb上で手軽に検証することが可能だ。そのため、「通常1〜3カ月必要だった、事前の検証期間を削減できる」(ルネサス)という。
Renesas VA上で利用可能なセンサー素子のモデルとしては、現時点で約100品種分を用意した。いずれも市販のセンサー素子のモデルで、温度センサー、赤外線センサー、衝撃センサーなど、さまざまなタイプをとりそろえており、センサーメーカー別のデータも用意する。2012年度中に、1000品種程度まで拡充する予定だ。
なお、このシミュレータソフトウェア自体は、ルネサスが運営するクラウドコンピューティング環境で稼働しており、ユーザー側のPCにソフトウェアをインストールする必要はない。無償で利用可能だが、ユーザー登録が必要である。
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