菊水電子工業は、電気自動車(EV)用急速充電器シリーズを披露した。同社にとってこの市場は新規参入になるが、「強みは、リップルが少ないきれいな直流電流を出力できること」だと主張する。
菊水電子工業は、「TECHNO-FRONTIER 2012(テクノフロンティア2012)」(2012年7月11〜13日、東京ビッグサイト)で、電気自動車(EV)用急速充電器「Milla-Eシリーズ」を展示した(図1)。出力が50kWの「Milla-E50」と、40kWの「Milla-E40」、20kWの「Milla-E20」がある。このうち20kW出力の機種は、奥行きがわずか35cmのスリムタイプとなっている。
いずれの機種も、EV用急速充電システムの標準規格の1つである「CHAdeMO」に準拠する。バッテリを80%まで充電するのにかかる時間は、50kW機が約30分、40kW機が約40分、20kW機が約60分。50kW機と40kW機は既に販売を開始しており、本体標準価格はそれぞれ200万円、190万円である。20kW機については、2012年10月に発売する予定だ。
菊水は「EV用急速充電器市場に積極的に参入していきたい」としているものの、同市場は急速充電器メーカーと顧客のつながりが強く、新規で参入するメーカーにとっては障壁が高いというのが実情だという。しかし、菊水は、「リップルが少ない“きれいな直流電流”を出力する急速充電器を提供できることが、当社の強みである」と強調する。「リップルが多い直流電流でバッテリを充電すると、バッテリの劣化が激しくなる。そのため、ノイズの少ない直流電流を出力する電源を急速充電器に使用することが重要だ。直流電源に強みを持つ当社であればそれが可能になる」(菊水)。
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