スペクトラムアナライザの7GHz機を121万1454円から、シグナルアナライザの13.5GHz機を240万2244円から、同26.5GHz機を288万2099円からで発売する。競合他社が供給する同クラスの機種に比べて、高い性能と機能を備えながらも、価格については2割前後低く設定したという。
アジレント・テクノロジーは2012年11月26日、「業界最安値」をうたうスペクトラムアナライザの新製品群を発表した。高周波を扱う機器や部品の設計開発現場において簡単なチェックや大まかな特性の把握に使う用途に向けた、基本的な機種「BSAシリーズ」を拡充し、測定周波数の上限が7GHzの新モデル「N9322C」を追加した他、設計開発の最終測定や標準規格試験、量産ラインでの高速テストなどに向けた、変調解析などの高度な機能を搭載するいわゆるシグナルアナライザ「CXAシリーズ」に13.5GHzと26.5GHzのモデルを新たにラインアップした。
「これまでアジレントのスペアナに対する市場のイメージは、“モノは良いけど、価格は高い”だった。今回は、“モノが良い”というブランド価値を低下させないようにスペアナとしての基本性能・機能を確保しつつ、同クラスにおいて業界で最も安価な機種を投入する」(同社)。
具体的には、スペアナの7GHz機が121万1454円からで、シグナルアナライザの13.5GHz機が240万2244円から、同26.5GHz機が288万2099円から(いずれも発表時点における5年保証込みの税別参考価格)。7GHz機については、「競合他社が供給する同クラスの低価格機よりも、さらに18%安い」(同社)と主張しており、26.5GHz機についても同様に、「24%安価だ」(同社)と述べている。いずれの機種も、2012年12月1日に販売・出荷を開始する。
今回発表した新製品群のうち、7GHz対応のスペアナであるN9322Cについては、「業界最安値ながらも、スペアナとしての基本性能については妥協していない」(アジレント)という。具体的には、感度とダイナミックレンジを十分に確保したとする。「基本性能が不足することで、実際には存在しないイメージ信号やスプリアス信号が測定器の内部処理によって印加されてしまうことがないように、ユーザーがRFポートから入力した信号だけを忠実に画面に表示できる性能にこだわった」(同社)。
具体的な特性は以下の通りである。感度については、表示平均雑音レベル(DANL)を−162dBm/Hz(中心周波数が1GHzのときの代表値)を確保。ダイナミックレンジについては約10dBmの3次相互変調歪み(TOI)を達成した。いずれも競合他社の低価格機に比べて数dB以上良好だという。
13.5GHzと26.5GHzに対応するシグナルアナライザの2機種については、同社のシグナルアナライザのハイエンド製品群である「Xシリーズ」のアーキテクチャを踏襲しており、その特長である高い測定速度と豊富な機能を訴求する。測定速度は、「掃引速度が競合他社の上位機に比べて10倍高い」(同社)という。機能については、スペクトラム解析と変調解析に加えて、EMIレシーバや雑音指数測定、スカラネットワーク解析の機能も利用できるようにした。
なおアジレントは、2012年11月28日(水)からパシフィコで開催される高周波技術関連の展示会「マイクロウェーブ展 2012」に、今回発表した新製品群を出品する予定である。
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