LV8702Vは、コピー機やスキャナー、複合機などのステッパモーターの駆動用ICだ。駆動波形を監視して電流値を自動的に調整する独自のシステムを採用し、駆動効率を大幅に高めたことが特長である。モーターから出る熱と振動、ノイズを低減するのにも寄与するという。
オン・セミコンダクター(ON Semiconductor)は2012年12月、独自の駆動システムを採用することで駆動効率を大幅に高めた、ステッパモーター駆動IC「LV8702V」を発表した。駆動波形を監視してモーターの状態を把握し、モーターの回転速度や負荷に応じて電流値を自動的に調整する駆動システムである。それにより、「現在市場にある駆動ICに比べて、無負荷時の駆動消費電力を80%削減、モーターピーク電流を77%削減した」(同社)という。コピー機やスキャナー、複合機などの各種OA機器に向ける。
さらに、プリンタの位置制御のようなアプリケーションで使用されるモーターから出る熱と振動、ノイズを低減するのにも寄与するという。つまり、効率が向上することで、駆動ICの表面温度は46℃低下し、モーターの表面温度は28℃低下する。それにより冷却ファンが不要になり、スペースの削減、コストの低減、システムの信頼性向上につながるというわけだ。
動作電圧範囲は9〜32V。保護機能として、出力短絡保護機能やサーマルシャットダウン機能、脱調検出機能を備える。パッケージは寸法が5.6×15.0mmのSSOP44J。2000個購入時の単価は6米ドルである。
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