TDKは2013年11月、「BroadR-Reach」など車載イーサネット規格向けの小型コモンモードフィルタ「ACT45Lシリーズ」の量産を開始したと発表した。モード変換特性「Scd21」で「業界最高水準」(TDK)という高い特性を、4.5×3.2×2.8mmサイズで実現した。
TDKは2013年11月、「BroadR-Reach」など車載イーサネット規格向けの小型コモンモードフィルタ「ACT45Lシリーズ」の量産を開始したと発表した。モード変換特性「Scd21」で「業界最高水準」(TDK)という高い特性を、4.5×3.2×2.8mmサイズで実現した。サンプル価格は60円。
TDKは、これまでCANバスやFlexRay規格に対応したコモンモードフィルタを展開してきた。新製品は、車載カメラからの信号伝送に使用されつつあるBroadR-Reachなど車載イーサネットに向けたコモンモードフィルタ。車載イーサネット用途で要求されるモード変換特性であるScd21の特性を高めることに重点を置き開発した。なお、Scd21の特性が高ければ、ディファレンシャル信号がコモンモードに変換されず、コモンモードフィルタとしての特性が良好という意味合いをなす。
TDKによると、CANバス向けの従来製品に比べ、最大100MHzまでの広い周波数帯域で15〜25dBの優位性を有しているという。
車載イーサネット規格向けに、モード変換特性Scd21を高めた製品は、一部の海外メーカーが製品化しているが、手動巻き線工法による大型品に限られたという。TDKでは、自動巻き線工法を用いながらScd21の特性を高めることに成功。「業界最小」(TDK)とする4.5×3.2×2.8mmというサイズを強みに、採用拡大を狙う。
新製品のコモンモードインダクタンスは、100MHz時200μHで、直流抵抗は最大4.5Ω、絶縁抵抗は10MΩ(典型値)。定格電流は最大100mA、定格電圧は最大50V(直流)となっている。
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