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85℃まで動作可能、SIIのコイン型リチウム二次電池セイコーインスツル MS920T

「MS920T」は、85℃の高温環境でも安定した動作が可能なコイン型リチウム二次電池である。温度上昇が想定される自動車内や直射日光に当たる高温環境で使用される、電子機器のリアルタイムクロックやメモリの電源バックアップ用途に向ける。

» 2014年01月31日 12時50分 公開
[EDN Japan]

 セイコーインスツル(SII)は2014年1月、85℃の高温環境でも安定した動作が可能なコイン型リチウム二次電池「MS920T」を発売した。温度上昇が想定される自動車内や直射日光に当たる高温環境で使用される電子機器のリアルタイムクロックやメモリの電源バックアップ用途に向ける。

 コイン型リチウム二次電池は、さまざまな電子機器において、電源バックアップ用などとして利用されている。しかし、リチウム二次電池の場合、高温環境下では経時劣化が加速することが分かっている。例えば、85℃で60日間保管した後に、リチウム二次電池の容量を測定すると、初期容量の40%程度まで低下することがある。

 MS920Tは、独自の封止技術と設計の最適化を図ることで、従来品では最大60℃程度であった動作可能温度を85℃まで拡大した。これによって、85℃で60日間保管した後にリチウム二次電池の容量を測定しても、初期の90%以上を維持することが可能となった。

85℃までの高温で動作が可能なコイン型リチウム二次電池「MS920T」の外観

 この他、0Vまで放電した後も放電容量は安定している、3.1〜2.0Vの充放電条件で最低100回の充放電が可能、といった特長を持つ。MS920Tは2014年6月より量産出荷を開始する予定で、サンプル価格は500円。

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