TDKは、「0402」サイズの高周波回路用インダクタで高いQ値を実現した「MHQ0402Pシリーズ」を発表した。従来品に比べ、2〜3割程度高いQ値を達成したという。
TDKは2014年2月18日、「0402」(0.44×0.24mm)サイズの高周波回路用インダクタとして、高いQ値を追求した「MHQ0402Pシリーズ」の量産を開始したと発表した。従来の同サイズ高周波インダクタに比べ、2〜3割程度高いQ値を実現し、TDKでは「業界最高水準のQ値」としている。
スマートフォンをはじめとした無線機能を持つモバイル機器は、消費電力抑制などの側面から損失の少ないインダクタへのニーズが強まり、小型でQ値の高いインダクタが求められている。
TDKでは、特にQ値を追求した製品として「MHQシリーズ」を展開。これまでの「1005(1.0×0.6mm))サイズ品」「0603(0.65×0.35mm)サイズ品」に加え、今回、より小型な「0402サイズ品」を製品化した。
小さな部品サイズで、高いQ特性を得るため、コイルを従来よりも上側に配置。基板に実装した際のコイルと基板との間に発生する浮遊容量を低減させた。同時に、従来はコイルの上に覆いかぶさっていた電極を短くカットした。これにより、コイル上部まで磁束が通ることになり、磁束ロスを抑えたという。さらに独自の誘電体材料などを用いて、コイルを厚く(太く)することで、抵抗分も抑えることに成功。その結果、従来の0402サイズの高周波インダクタに比べ、Q値を約20〜30%高くすることに成功した。インダクタンスが0.2nH品の場合、1.0GHz時のQ値は20という。
MHQ0402Pシリーズは、インダクタンスが0.2nHから33.0nHまでの範囲で「最適なインダクタンスを選べる製品を取りそろえている」(TDK)。サンプル価格は1個10円。まず月産2000万個規模で量産を開始し、2014年6月には月産6000万個規模での生産を行う計画となっている。
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