これまでSPICEとはどのようなものかを紹介してきた本連載。いよいよ今回からは、SPICEというツールをどう設計に応用していくかを紹介してきます。今回は、オーディオアンプの設計を例にとりながら、「パラメトリック解析」の解説を行います。
本連載「SPICEの仕組みとその活用設計」では前回までに、
について簡単に説明してきました。
今回からはこのSPICEというツールをいかに設計に活かしていくかを考えます。また、今まで説明してこなかったいくつかの機能についても都度、説明していきます。
なお、例題を解いていくツールとしては主として「PSpice Ver.8.2」を使いますが、これは筆者の環境によるもので特に理由はありません。他のツールについても分かっている限り説明していきます。
まず、目標がないと設計を開始できませんので、次のような仕様のオーディオアンプを設計することにしましょう。
※オーディオアンプを選んだのは、知財権が既に失効していることに加えて、設計上今まで説明してこなかったAC解析機能を使うものであることからです。
設計を始めるにあたっては、順守しなければならないのは、1)安全規格、2)ユーザー仕様、3)社内標準、…の制限です。今回はDC駆動のオーディオアンプですから回路設計の段階では安全規格は除外できます。
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