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モーター技術者の登竜門、高効率・長寿命のブラシレスDCモーターを理解しようめざせ高効率! モーター駆動入門講座(2)(2/4 ページ)

» 2015年07月01日 10時00分 公開

ブラシレスDCモーターの位置付け

 ブラシレスDCモーターを知るために駆動方式で分類してみよう(図1)。

 最初に使用する電源で分けるとDC(直流)モーターとAC(交流)モーターに分けることができる。さらに、そのモーターの回転原理(トルクの発生方法)で次のように分けることができる。(ここでは、特殊なモーターは除いている。)

図1 モーターの主な種類(駆動方式別)

ブラシレスDCモーターの構造

 連載第1回で、永久磁石型のAC同期モーターを用いた回転原理について説明した。三相交流電圧を用いて回転磁界を作り、回転子である磁石(ロータ)がそれに同期し回転する。しかし、この回転磁界と回転子の同期回転は、回転子の位置を検出しておらず、オープンループで駆動されている。また、回転磁界は商用周波数の一定速度で回転している。このため、起動に工夫が必要であり、重負荷において脱調(回転磁界と永久磁石である回転子が同期せず、回転が停止)することがある。

 これに対して、ブラシレスDCモーターの電源は直流であり、前回説明した3相交流から作る回転磁界を、半導体素子(6つのMOSトランジスタ)をスイッチすることにより、コイルに流れる電流を切り替えて(転流)作っている(図2-左)。しかもブラシレスDCモーターは、磁石の位置をホール素子などで検知して、常にトルク発生に最適なコイル相を決定するため、起動時や重負荷時おいて脱調することはない。

図2 3相ブラシレスモーターの構造
=3相ブラシレスDCモーターの駆動回路 / =3相ブラシレスDCモーターの基本構造図 (クリックで拡大)

 基本的な、3相ブラシレスDCモーターの基本構造図が図2-右になる。

 3相ブラシレスモータは、スター結線された3つコイルを固定子(ステーター)とし、回転子(ロータ)を磁石で構成され、磁石のN極とS極を検知するためのホール素子が各コイル間に配置される。これはコイルから発生する磁力の影響をさけ、回転子の磁力を検知しやすくしている。回転子の軸は、軸受であるベアリングやスリーブのみと接触し、電気的な接触はない。ゆえに、低ノイズ、高速回転可能、長寿命の特長を持つ。

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