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浮動小数点演算のメリットQ&Aで学ぶマイコン講座(17)(2/4 ページ)

» 2015年08月17日 11時30分 公開

マイコンがサポートする
浮動少数点規格(IEEE 754)

 コンピュータの使用が始まった当初から、浮動小数点の使用は常に求められてきましたが、実装の困難さから数十年間見送られてきました。IBM 704が浮動小数点数演算ハードウェアを量産機として世界で初めて採用したコンピュータで、1954年に発表されました。

 しかし、FPUは、1985年にIEEE 754規格により標準化されるまで、製造業者ごとに異なるコーディング技術でメインフレームに実装されてきました。現在、一般的に使用されている規格は、2008年8月に制定されたIEEE 754-2008です。この規格では次のことを規定しています。

 基本形式は次の章で詳しく説明します。その他の特別な数値は次のようなものがあります。

1.数値のフォーマット

  • 非正規化数(指数部の全ビットが“0”、仮数部が“0”以外)
  • 無限大(指数部が全ビットが“1”、仮数部が全ビット“0”)
  • 非数:NaN(指数部が全ビット“1”、仮数部が“0”以外)
  • 符号付き“0”

2.算術演算

  • 加算
  • 減算
  • 乗算
  • 除算
  • 剰余算
  • 平方根

3.数値変換

  • 浮動小数点数から整数
  • 丸め浮動小数点数から整数値
  • 2進数-10進数変換
  • 比較

4.丸め規則(端数処理:算術や変換の際に数を丸める方式)

  • 最近接丸め:デフォルトの丸め方。2つの近接値の中間の値の場合、仮数のLSBが0になる値を採用。
  • 方向丸め:ユーザーで選択可能な3つの方向丸めモード。+∞、−∞又は0に近い側への丸め。

5.5つの例外とその処理方法:例外的状態の通知

  • 無効な演算
  • 0による除算
  • オーバーフロー
  • アンダーフロー
  • 不正確な結果

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