NXPセミコンダクターズジャパンは、車載用イーサネット向け製品を発表した。イーサネットトランシーバIC「TJA1100」とイーサネットスイッチIC「SJA1105」である。自動運転やコネクテッドカーのネットワーク構築に不可欠なICとして期待される。
NXPセミコンダクターズジャパンは2015年8月、車載用イーサネット向けにイーサネットトランシーバIC「TJA1100」とイーサネットスイッチIC「SJA1105」のサンプル出荷を始めた。
TJA1100とSJA1105は、業界団体の「OPENアライアンス」が定義した車載標準「BroadR-Reach」に基づいた製品である。トランシーバICとスイッチICを組み合わせるモジュール方式とすることで、システムの柔軟性とコスト効率を両立させることができるという。これにより、大衆車から高級車までさまざまな要求に対応するネットワークシステムを構築することが可能となる。
自動車のエンジンが停止している時にシステム全体はスリープ状態になるが、その時でもTJA1100は部分的に電源をオン状態で維持している。このため、ネットワーク上で動作が発生した場合でも、速やかにシステムを再起動させることができる。しかも、外付けの電圧レギュレータなどは不要である。パッケージは外形寸法が6×6mmのHVQFNで供給する。
SJA1105は、TTTechの協力を得て開発した。TTTechのリアルタイム処理に対応するイーサネット技術「デタミニスティック・イーサネット技術」を採用しているため、自動運転システムなどで不可欠なレイテンシー要件を満たしている。また、帯域幅も最大1Gビットまでサポートすることができる。フェイルセーフ設計にも対応した。
もちろん、デタミニスティック・イーサネット技術は、イーサネット(IEEE 802.3)やタイムトリガードイーサネット(SAE AS6802)、オーディオビデオブリッジング(AVB)、タイムセンシティブネットワーキング(TSN)などの標準にも対応している。
なお、TJA1100は、プロトタイプのサンプル品を供給中で、2015年末までに量産を始める予定だ。SJA1105は自動車メーカーでの試験にも合格済みで、顧客から要求があればサンプル品を提供することが可能だという。
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