3つ目の課題は「マルチレーン化による影響」である。NEXT/FEXTの複数のパスを含め測定することから、従来の4ポートネットワークアナライザを用いると、接続変更に伴う工数や測定時間が増加し、測定効率を落とすことになる。この場合は、マルチポート化が測定効率を高める有効な手段となる。
USB Type-Cスタンダードツールの場合、12ポート(6×差動ポート)を測定する必要がある。このため、4ポート対応のネットワークアナライザでは15回、8ポート対応のネットワークアナライザであれば3回の測定が必要となる。これに対して、PXIeベースのネットワークアナライザを用いると、12ポート構成に拡張することが容易なため、1回の測定で済むことになる。
4つ目の課題は、「ケーブルから漏洩するEMI/RFIの影響」である。USB 3.1では、グラウンドの強化とシールディングを改善した新型のスタンダードAレセプタクルを採用しており、RF干渉の問題はUSB 3.0に比べ大きく改善されている。これに加えて、ケーブルからの信号漏洩を評価するため、ケーブルシールディングに対する効果測定の項目が新たに追加された。
ケーブルシールディング効果は、ケーブルアセンブリから漏洩するRF干渉レベルを測定することによって評価する。USB-IFで開発を行っているテストフィクスチャを用いて、ケーブルアセンブリを入れた状態で測定を行う。テストフィクスチャは5個のSMAコネクタを備えている。TxとRxペアにそれぞれ2個、もう1個はケーブルシールド用として使う。ケーブルシールドから差動モードとしてのカップリングファクタ、ケーブルシールドからコモンモードとしてのカップリングファクタを、TxとRxペアのそれぞれに対して測定することになる。
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