パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、「レーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート樹脂成形材料」を製品化した。レーザー光透過率を従来品の52%から72%に高め、低出力でのレーザー溶着による高強度溶着を可能にしたという。
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2016年2月、車載用スイッチやセンサー、ECUなどの信頼性と設計自由度の向上に貢献する「レーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂成形材料」を製品化したと発表した。
同材料は、レーザー光を高効率で透過/吸収して瞬時に溶融し、接合部の海島構造を均一に分散するアロイ化技術を採用している。レーザー光透過率を従来品の52%から72%に高め、低出力でのレーザー溶着による高強度溶着を可能にした。
また、ガラス繊維をランダム配向させ、反りを抑制する材料改質技術を採用。反りやすい射出成形方法でも、成形品の反り量を従来品の2.3mmから0.5mm以下に低減した。レーザー溶着部品面の溶着強度を均一に保持することで、従来課題とされていた防水性/気密性のバラツキを抑えて安定した品質性能を確保できる。従来の円/四角形などの対称的なパターンに加え、「非対称的な形状や凸凹などの3次元的に複雑な加工にも対応し、設計自由度が向上する」(パナソニック)という。
同材料は、加水分解反応を防止する樹脂改質技術により、小型/大型に限らず車載用途に求められる耐水性を備えている。温度85℃/湿度85%Rhの環境下で1000時間の高温高湿試験後、引張強度保持率94%を達成。−40〜100℃の温度サイクル試験後、水中でエアー加圧(3気圧)した場合も空気漏れはなかったという。荷重たわみ温度は200℃で、エンジンルーム内での使用も可能である。
パナソニックによると、同材料は「2016年3月より本格量産を開始する」としている。
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